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もしもホワイトアルバムが一枚だったら(White Album Challenge)

体調崩しまくりで今も風邪を引きずっている龍垣です。はっきり言って今週は手抜き記事なのでほんとスナック感覚で楽しんでください。プレイリストも記事も短いゾ〜コレ。


さて、ビートルズとかいう嘘みたいなすげえバンドは、数え切れない各所に計り知れない影響を与え続けてきたのだが、時代を変えた歴史的に意味のある名盤というより、ロックの2枚組アルバムの金字塔も残している。

それが『The Beatles』(1968)、通称『ホワイトアルバム』だ。他のバンドがバンバンファーストアルバムにバンド名を付ける中、後期のここでセルフタイトルをかましてくるのが何とも粋だし、本来はそうだよな!私もセルフタイトルを使うなら総決算的な内容にしたいと思う。

傑作傑作とは各所で言われるものの問題はその中身。これが色々人によって意見は別れるが、私ははっきりいってこのアルバムに統一感はないと思う。
もちろんこれが彼らのマグヌム・オプスであることには変わりないと思うし、アルバム単位で音楽を楽しむという革命を起こした人たちの作る混沌としたアルバムに意味を見出すことは否定しない。
でも!それでも!それでも!!!!ユニc(ry

その広過ぎるジャンルのレンジと怒涛の名曲の数々は、聴く人によってこのアルバムのピークや印象を変える。
無論人によってダレてんなあここって思う場所も違う。
ならばこのマグヌム・オプスを我々なりの名盤にしてみようではないかという挑戦、それがホワイトアルバムチャレンジである。

個人的にこの企画は好きなアルバムやアーティストを挙げてもらうより個性がわかりやすく出ると思う。
どんなアルバムが好きか、どんなジャンルが好きか、ロックの何に興奮するのか、はたまたロックがそんなに好きではないのか、丸裸になるだろう。

さあ、刮目せよ。俺の全裸を。

これが私の描く理想的なホワイトアルバムの姿である。

他の方のやつを拝見すると1曲目をオリジナル通り“Back In The U.S.S.R.”から動かさない人がいるが、それは2曲目もオリジナルにする前提だと思う。
私がこのアルバムにおいて重要だと思う事はビートルズが久しぶりに普通のロックンロールをやっているという事。同時代のバンドが自分たちに倣ってこぞってサイケをやりまくる中、普通に踊れるハッピーなロックンロールがあることを高く評価したい。

よってド頭の“Birthday”でロックンロールパーティを始めて、4曲目まではビートルズの純粋な「ロック」に踊ったりウキウキしよう。
そして“Wild Honey Pie” から一転、少々サイケな部分を意外かな意外“Ob-La-Di, Ob-La-Da”と “Long,Long,Long” で楽しく神秘的に摂取する。
そこから名繋ぎ曲として“Blackbird” に登場してもらう。この曲は繋ぎ方が本当に厄介で皆苦労する所だと思うが、上手く繋げたと思うし、レコードとしてはここでA面を終わりにしたい。どう考えても“Blackbird” は面の最後がいいと思っちゃうなあ。
で、また味変。ジョンの男らしい骨太なロックの時間だ。
この時期にしては黒めな名曲“Yer Blues” は流れを変えるパワーがあるし、ビートルズの曲の中でもトップクラスに好きな“Happiness Is A Warm Gun” の黒さと白さのバランスは神業で、大人な苦味があるのに暖かい甘さにハラハラする、ダメ、絶対な危険の味だと思う。
そしてまたもやスムーズな味変、今度はロックの「キッズ」な部分。音楽の教科書感があると言えば伝わるだろうか。リンゴの“Don't Pass Me By” 、ジョージの“Piggies” が子どもと遊ぶかのようにこのアルバムを緩めてくれる。
だがここで豚の鳴き声を遮って飛行機が突っ込んでくる。本来のオープニングナンバー“Back In The U.S.S.R.” だ。あれ、本当は一発目なのに何かエンディング臭いぞ!これが異常に寂しいのだ。冒頭のような楽しいロックンロールに帰ってきたことで、伏線が回収された感があり、これが終わりかと察せてしまう。颯爽と名残惜しくなさそうに飛んでいく飛行機を虚しい気持ちで眺めていると、それをつんざくような超攻撃的なギターがつんざく。
終幕、恐らくロック史上最古のヘヴィナンバー“Helter Skelter” が悲しむ隙を与えない。たっぷりの尺でヘヴィなロックンロールに気持ちよく殴打されて狂気的に終わる。

という感じの流れだ。
ロックンロールであることが重要だと述べたが、やはりこのアルバムのレンジが生み出す狂気は大事にしたかった。
よって、オリジナルよりも無茶のない曲間、アルバム内の作風の変化を味変と捉えられるようにしてみた。だが、綺麗にまとめ過ぎない。
最後はシンプルなロックンロールに回帰したかと思わせて、ロックの暴力的な側面が突き抜けて終わる。そうするとそれまでのとろとろのサイケや、子どもに向けていた優しい笑顔、楽しいロックンロールにさえも混乱してくる。
この混乱が『ホワイトアルバム』以外では味わえないので、そのエッセンスは取りこぼさないようにしておいた。

まあビートルズの『Abbey Road』(1969)以前のアルバムのように、40分を超えないよう作ったとはいえしっかり40分あるのだが、オリジナルのあの満足感、達成感は再現出来なかった。そこも表現出来た猛者はいるのだろうか。

また、作曲者のバランスや順番的にも面白くなっているので、ビートルズのそういうとこまで掘っているマニアな方にも楽しんで頂けると嬉しい。

以上あたくしのホワイトアルバムチャレンジでした。
この曲を抜くのか!!ありえんぞ貴様!!!!だったでしょう?何を妥協して何を重視するかの企画故の面白さがあったはずだ。
他の方のホワイトアルバムチャレンジも是非覗いてみて比較して欲しいし、何よりこれを読んでいる貴方。
貴方の作る『ホワイトアルバム』と比較して欲しいし、私も聴いてみたい。

では改めて、

1.Birthday
2.Everybody's Got Something To Hide Except Me And My Monkey
3.Rocky Raccoon
4.I Will
5.Wild Honey Pie
6.Ob-La-Di, Ob-La-Da
7.Long,Long,Long
8.Blackbird
9.Yer Blues
10.Happiness Is A Warm Gun
11.Don't Pass Me By
12.Piggies
13.Back In The U.S.S.R.
14.Helter Skelter


またネ。日付変わったけど今週扱いだもん。プンッ。

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