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庇護欲か⁇


夜中にたくさん会いたくなるは、私が創ったあの子の幻想が暖かいから。
夜中にたくさん会いたくなるのは、どうしようもないこの気持ちを抱きしめてくれるのはあの子だけだから。
あの子を抱きしめた日のことを時々思い出すのは、その日に君の特別になれたから。
あの子にとって嫌なことがあった次の日、ぎゅーして「よく来たね」って。
あの子にとっての特別になれたかな?


ただの庇護欲だったかもしれない。
わたしの知らない薬をくちにするとこも、
私のことをすごく可愛がってくれるとこも、
笑うときは思いっきり笑うとこも、
この世の終わりくらい泣いてる時も、
心配はできても干渉はできない絶妙な距離も、
儚さも、
全部に惹かれてたよ。


重くて苦しかった。
あの子が泣いてたら、わたしも苦しかった。
そこには大きな壁みたいなものがあって、誰もそれ以上踏み込めそうになかった。
あの子を私だけの方法で救いたかった。薬なんて無機質なものでよくならないよ。私とどこかに行こう。隣で笑ってくれるだけでいいから。そんなこと口に出せるわけもなくて。重かったのは私のほうだ。特別になれたらよかったのに。


私があの状況に耐えれなかった。
あの子はもう大人になっちゃったけど。
こうやってあの時をまた思い出して苦しくなるの。
これが都合の良い苦しさだから、憎い。
こうやって文章にしたらなんとなく昇華されていくような、そんな感情だから、憎い。










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