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障害者スポーツを考える 小さな取り組み

日本国内には、いくつもの障害者スポーツ団体や競技会がある。
障害の特徴を考慮した競技内容も検討され、障害があっても、各種スポーツを楽しむことができる。

障害者スポーツの種類と現状

障害者スポーツの種類は、視覚障害・聴覚障害・身体障害・知的障害・精神障害と、それぞれの障害によって分けられる。
世界的な大会が開催されるとなると、当然日本での選手強化に取り組むはず。
強化するとなると、日本〇〇協会や連盟のような団体も設立される。
そうなると、地方にも協会ができる。(例:日本車いすフェンシング協会・北海道フェンシング協会など)
まずは、それぞれの障害に対して、国際大会があるのか調べてみた。

視覚障害者‐パラリンピックの種目もある 
聴覚障害者‐デフリンピック 国際大会あり
身体障害者‐パラリンピック
知的障害者‐スペシャルオリンピックス
精神障害者‐国際大会は不明

国際大会開催がはっきりしない障害もあったが、どの障害に対しても国際大会が開催されている。
地方の協会も設立されている。
ただ、競技種目が限られている。
当然、競技人口が多い種目が選ばれるのだろう。
身体障害者が参加する車いすフェンシングは、ワールドカップやパラリンピックの種目にもなっている。
しかし、車いすフェンシングも競技者は少ない。
北海道の大会も、1年に1度しか大会開催がない。
他の地方の様子はわからないが、大きな変わりはないだろう。

今年の夏、全日本車いすフェンシング選手権で会った方の中に、視覚障害の方がいらした。
足や下半身に障害がないので、車いすフェンシングの参加条件は満たさない。(車いすフェンシングは障害の程度でカテゴリーA・B・Cに分かれる)
条件を満たさないので、大会参加はできない。

現在、私は知的障害の選手と一緒に練習している。
この選手も身体障害はないので、車いすフェンシングの大会には出場できない。

視覚障害・知的障害は、スポーツ団体や協会などはあるが、フェンシングの大会を開催しているところはない。
身体障害以外でフェンシングをしている団体はない。
フェンシングの練習をしていても、身体障害以外の選手は、出場できる大会がない。

小さな取り組み


大会の大小に関係なく、大会に出場することは、練習の成果の発揮、練習に対するモチベーションを上げるなどいくつもの意味がある。

視覚障害や知的障害のある選手と接していると、「大会に出れたらいいのに」と、思ってしまう。

でも、出場できる大会がない。
では、出場できるようにしたらいい。

旭川フェンシングクラブでは、『旭川フェンシング大会』を開催した。
大会特別ルール(ハンディ)を設定し、障害者も小学生も成人もみんなで試合する大会だ。
知的障害も身体障害も健常も年齢・性別も関係ない大会。
トロフィーやメダルを目指して、みんな真剣にかつ楽しく取り組むことができた。
公式戦ではないし、内輪の会だと言われるとそれまでであるが、はじめて大会に参加した選手は、今までより積極的になり、練習する姿も楽しそうだ。

まとめ

障害者へのスポーツ参加は、いろんな形で取り組まれている。
ただ、今あるスポーツの中から選ぶのではなく、自分のしたいスポーツを選び、大会出場を通して、いつもと違うメンバーと出会い、競技を楽しみ、行動を拡大していくことが本当の意味で、個人の尊重につながるのではないか。
今までなかった大会や経験は作りだし、継続していくことで地域や競技者に浸透し、広く伝わることで、参加者が少しずつ増えて次の形につながることを願っている。



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