制作「山口ちはる」プロデュース「組ミKYOく」

これまた大分時差ですが、先日下北沢スターダストで観劇した「組ミKYOく」の感想を書かせていただきます。
「TikTok演劇」!ってなんだ?って思いながら観ました

結論から言うと、少し期待していたものと違ったかもしれない。
何を期待してたかというと、「TikTok演劇」!って宣伝の時から聞いて、へー!TikTokを演劇にするんだ、どうやるんだろう!と期待していたので観てみると、要は短編集を「TikTok演劇」としてるのね、と思ってしまった。
TikTokやYouTubeとかでやってることをそのままやることで、「TikTok演劇」となるのか?と少し疑問になる舞台でした。

オープニング


出演者全員による、オープニングは元気があっていいかなと思ったけど、少し元気すぎて引いてしまったかもしれない。BGMも役者の声量も大きすぎないかな、小屋の大きさに合ってないな、と思いました。

本編

10分以内の短編のオムニバス形式。様々なジャンルを問わない形の短編が次々と繰り広げられました。
短編はコメディが多かったけど、くすっと笑えるものもあれば少し考えながら観るもの、でどれも面白かったです。劇と劇の間に挟まれる転換芝居も、悪ふざけポイ感じでコメディらしくよかったです。
一番面白かったのは、役者二人がおもむろに前に出てきて、ASMRを始めるところが、シュールすぎて面白かった。何の時間だよって、もう一番笑いました。
ただ、全体としての構成、やはり「TikTok演劇」というところが気になってしまう。まあ、ただの短編集だよね。「TikTok演劇」というからには、お客さんに、確かに!TikTokだ!と思わせるような仕掛けが必要なのではないか、と思ってしまった。単に短い演劇、TikTokでよくやられてる企画や音楽、ダンスなどを入れるだけでは不十分な気がしました。
TikTokと演劇ってそもそも、本質的なところが全然違うものだから、難しいと思うけど。TikTokは観客の視点を操れないけど、演劇は観客の視点を操れる。TikTokは自由にいろんな動画を見れるけど、演劇は自由な見方は与えられない。って感じで、それぞれにできること・できないことがあって、そういったものをリミックスさせてやるのがいいんじゃないかな、と思う。

偉そうなことを書いてるけど、自分はどうしたらいいか全くわからないし、難しいと思う。ただ、「TikTok演劇」と言ってるからには、そういった期待を超えるものを作ってほしいなと思う。

最後に

色々厳しいことを書いてしまったけど、出演してる役者の方はほとんど存じ上げない方でしたが、皆さん器用で素晴らしかった。小劇場っていうのは、本当にいい役者がたくさんいるんだな、と思い、今後の観劇も楽しみになります。


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