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ゴミのポイ捨てを減らすには?

ゴミのポイ捨てを減らすには?

★ 街を汚すゴミのポイ捨て問題

あなたはゴミをきちんと持ち帰っていますか?
それとも、道端に捨ててしまっていますか?

残念ながら、世の中にはゴミをポイ捨てする人がいます。
ゴミをポイ捨てすると、街が汚れ、異臭が漂うことになります。
ポイ捨て問題は深刻です。

★ ゴミのポイ捨てを減らすには

市民にゴミをポイ捨てしないよう呼びかけても、その効果は限定的です。
そこで、研究者たちは街中に設置するゴミ箱のデザインに注目しました。

人々がゴミをゴミ箱に捨てるようになると、ポイ捨て問題は解決に向かいます。
では、ゴミをゴミ箱に捨てたくなるデザインとはどのようなものでしょうか?

★ ゴミ箱のデザインに関する研究

スウェーデンのイェブレ大学の研究者たちは、ゴミ箱のデザインとゴミ捨て行動の関係を調べるため、異なるデザインのゴミ箱を街中に設置しました。
用意されたゴミ箱は以下の三種類です。

  1. 普通のデザイン - 灰色のシンプルなゴミ箱。

  2. 派手なデザイン - オレンジ色の目立つゴミ箱。

  3. 子供が描いたデザイン - 学校の子供たちがポイ捨て防止のために描いた絵をプリントしたゴミ箱。

これらのゴミ箱を一ヶ月間設置し、どれだけのゴミが捨てられたかを計測しました。

★ ゴミ箱のデザインがゴミの量に与える影響

結果、最も多くのゴミを集めたのはオレンジ色のゴミ箱でした。
オレンジ色のゴミ箱は毎日平均2kg以上のゴミを集めたのに対し、灰色のゴミ箱は1.5kg、子供が描いたゴミ箱は0.5kgしか集めませんでした。

オレンジ色のゴミ箱は目立ちやすく、その存在が市民に認識されやすかったため、ゴミを捨てる人が増えました。
しかし、このゴミ箱は派手なため、街の景観にそぐわないです。

★ 子供の絵のゴミ箱がゴミを集めなかった理由

一方、子供の絵のゴミ箱にゴミが捨てられなかった理由として、以下の二つが考えられます。

  1. ゴミ箱だと認識されなかった
    ・ゴミ箱といえばシンプルなデザインが一般的ですが、子供の絵が描かれているとゴミ箱だと認識されない可能性があります。

  2. ゴミを捨てたくなくなった
    ・子供が描いた絵は微笑ましく、ゴミを捨てて汚したくないという心理が働いた可能性があります。

実際に、人々にゴミ箱が設置されている写真を見せてどのくらいの時間でゴミ箱を見つけられるか調べたところ、オレンジ色のゴミ箱が一番発見されやすかったです。
次に見つかったのは子供の絵のゴミ箱で、灰色のゴミ箱よりも早く認識されました。
それでもゴミの量が少なかったのは、心理的な要因が影響した可能性が考えられます。

★ ポイ捨て防止のためのデザインとは

この研究から、人々にゴミをポイ捨てさせないためには、派手で目立つゴミ箱を設置することが有効だということがわかります。
しかし、街の景観を犠牲にする可能性があります。

街の美しさと清潔さを両立させるためのバランスが求められます。

★ 結論

ゴミのポイ捨て問題を解決するためには、デザインの工夫が重要です。
研究の結果、オレンジ色の目立つゴミ箱が最も効果的であることがわかりましたが、景観とのバランスも考慮する必要があります。
今後、より良いデザインのゴミ箱を設置し、街を美しく保つための取り組みが求められます。

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参考文献
Managing waste behavior by manipulating the normative appeal of trash bins: Lessons from an urban field experiment
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2667378923000585

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