教育の結果はすぐには出ない!

#教え子 #教師冥利 #成果主義 #高学歴 #大企業 #コミュニケーション能力

 ずっと中学校で社会科教員として子どもたちと向き合ってきた。私が教員になったのは、校内暴力が激しいころ。母校の中学校に教育実習に行くことすら難しい状況だったため、高校で教育実習をした。そこで日本史の恩師に指導していただいた「授業で信頼される教師になれ!」という言葉を胸に精進してきた。

 中学生は多感な時期、思春期であり、理解するのはなかなか難しい。だからこそ、そんな子どもたちの味方になりたかった。そして荒れる中学校をいくつも経験してきた。

 今では、退職して私の心にもゆとりができ、また子育てもひと段落したので、時々教え子たちと会うことがある。

 その中のひとりに生徒会副会長を務めた頑張り屋の生徒がいる。彼女とは、当時担任として、また生徒会担当として深く関わった。現在は小学校の先生となり育休中。私が退職したと知ると「お疲れさまでした。」と、お祝いのお花を届けに赤ちゃんとともに退職後の私の職場まで来てくれたのだ。

 休職を経ての早期退職だったので、誰からもお祝いもされなければ、お疲れ様でしたと言われることもない寂しい退職だったから、余計に嬉しかった😊

 そんな彼女から、最近、子育てや家事分担などについて相談された。じっくり話を聞き、どうしたいのかを引き出したところ、最後は笑顔になって帰って行った。その時、私のことを「何歳になってもキラキラ輝いて見える。」と言ってくれ、めちゃくちゃ感激してしまった😍 教師冥利に尽きるとはこのことだとつくづく思った💕

 また別の生徒は、中学生の時、かなり反抗的だったが、今では同級会の幹事までやってくれるような大人に成長した。15年後のこの姿を誰が想像できただろう。毎日のように放課後声がけしては話をして、の繰り返しで、決して放っておかなかったことが功を奏したのかもしれない。女性同士なのでセクハラの心配はなかったし笑。

 同級会では美味しそうだったからと珍しいケーキまでお土産に買ってきてくれて。プレゼントをもらったからでなく、その心遣いが嬉しいのである。これまた、教師へのご褒美だよなあと思う💕

 そして、不登校になってしまった生徒。何人もの不登校生徒に関わったが、不登校になったのはそれぞれの理由があっただろうし、本人にもよくわからないこともあっただろう。その生徒は、成人式のとき、私の姿をみつけて、無事に高校を卒業して就職し元気に働いていると報告に来てくれたのだ。私からも彼に声をかけようとしていたが、彼の方から進んで来てくれたのが嬉しかった💕

 私が心がけていたことは、付かず離れず、のスタンスで、毎週末に家庭訪問をし、クラスメイトからのメッセージを渡したり雑談をしたりしたことくらいだった。

このように、本気で関わっていれば、のちのちこんな素敵な結果が返ってくるのが教師の醍醐味。

 でも、その結果はすぐに出るものではない。立派な大人になって幸せでいてくれることが私の願い。だから、教育に成果主義を求めてはいけないとつくづく思う。点数に表せないことばかりだし。

 高学歴で大企業に就職すれば幸せなのか、私たち大人はよく考えるべきだと思う。人は1人では生きていけない、人間とは人の間と書く、人の中で生きてこそ人間になれるのである。どんなに学校の成績が優秀でも幸せとは限らない。

 これまでの教え子から学んだことは、学校の勉強はできる方が良いけれど、人とのコミュニケーションを取れる力のほうが重要だということ。素敵な笑顔でわからないことを素直に聞いたり、間違ったらごめんなさいと謝れたりする子どもの方が、人から愛され幸せに生きているように思う。

 いい人生とは、ひとりひとり違う。その人が望む人生を手に入れることだと思う。親の価値観で我が子の進路を狭めていないだろうか。コーチングを学んでからは、そんな自省をしながら子育てと仕事を両立してきた。

 教師という職業柄、特に公立中学校なので、本当に様々な家庭の子どもたちと関わってきた。親も子育てをすることによって親になっていくものである。親として最初からうまくいくわけないけれど、様々な家庭のお子さんと親御さんから多くのことを学ばせていただいた。これもまた、教師だから可能なのだけれど‥

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