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「誰でも出来ることを誰よりも一生懸命やる」ということ

こんにちは、五目メシです。今日のテーマは「誰でも出来ることを誰よりも一生懸命やる」というお話です。

このテーマはネットで検索すると既に沢山取り扱われていると思います。

その理由は、イエローハットの創業者である鍵山秀三郎氏のトイレ掃除から始まるエピソードを検索すると納得いただけると思います。鍵山秀三郎氏の「凡事徹底」提唱は会社に大きな影響を与え、社外にまで影響を与え今日取り扱うこのテーマに刺激を受ける人が増えたのではないかと思います。大谷翔平選手がゴミを拾って運を拾うという行動は、まさに「凡事徹底」の一つなのではないでしょうか。

この「凡事徹底」は鍵山氏だけではなく、松下幸之助氏が「整理・整頓・清潔・清掃・躾」の5Sを教育したエピソードがあり、さらに歴史を紐解くと豊臣秀吉が信長の草履を温めて差し出したという話まで遡ります。

ところで。。。

私は手術室の看護師なのですが、最近生き生きと働けていなかったのです。

私は私なりに苦しんでいました。中間管理職でありながらプレイヤーでもあるため仕事のボリュームの絶対量が上がり、責任はもちろん、マネジメント、プレイヤーとしての仕事が押し寄せてきます。どうしても、仕事にムラが出てしまうことがありました。現場の仕事もマネジメントもどっちつかずになってしまい、その結果、部下の信頼を得られない、自分で納得した仕事ができなくなってくる。自分が望む方向とは離れていく感覚が出てきます。

困難な複合的な手術などは複数の科が関わりコメディカルも複数になってくるため、まとめ役が必要です。その様な手術ではキャリアのある手術室看護師が中心となることが多いです。私はそんな経験も経て自信に満ち溢れて生き生きとしていた時期がありましたが、今はどうでしょう。

出来ないものは出来ない。自分にも得意不得意がある。自分の能力にも限界がある。年齢を重ねるごとに思考のキレもなくなってくる。それなのに、待っていたのは若い頃よりもっと過酷な脳内情報処理、体力勝負でした。

今のだらしのない自分の状況をどうにか突破する方法はないか?悩みました。私はこれまで順風満帆な人生を歩んできたわけではありません。ですから幾度も大きな壁を乗り越えてきました。それでも、長らく多少なりともストレスを受け続けると健康を害するものです。

そんな時でも、さまざまな苦情や問題、新しいプロジェクト(看護師にもこのような取り組みはあるのです)を進めなくてはいけない、どんな時も苦しかった。加えて、一言で言うなら「アンチ」も存在します。今の時代、パワハラになる行動は即指導対象ですので安易に行動は出来ないため、指導や教育にも熟慮が必要となる場合が多いです。

さて、どうしたらいいでしょうか。。。

打つ手はないのでしょうか。

そんな自分の目に飛び込んできたのは「誰でも出来ることを誰よりも一生懸命やる」でした。本を読んでいて、このワードが今の自分の心に刺さりました。

誰でも出来ること

誰よりも一生懸命やる

頭の中で「誰でも出来ること」「誰よりも一生懸命やる」    

一生懸命やる。

つまり基本的なことを一生懸命やる。

なんか昭和生まれの私には響くんです。

その前は、あぁ疲れた、もういつ家に帰れるのかわからない。今日も長い道のりだ。その上重労働だ、それに手術ルームコーディネート(空いた手術部屋に手術を割り振り出来るだけ患者さんを待たせずに入室させる業務と手術リスクを把握し看護スタッフの能力を考えた人員配置)で頭までフル回転だ。それを間違えると患者さんの入室時間が数時間遅れる、手術の安全性を保てないなどが起こり得ます。

手術室では1日に20件から30件ほどの手術件数があります。1件の手術が終わったら清掃して、次の手術で使う機器、物品、麻酔薬の準備、関わる医師、コメディカルへの連絡、入室時間調整を経て次の手術を受ける患者さんが入ってきます。

その中で、基本となる業務はいくつもあります。手術が始まってからも毎日繰り返されるような基本的な看護業務は沢山あります。

それを1つ1つ一生懸命やる、1つ1つ丁寧に一生懸命やる。忙しくて大変な時も目の前にあることを丁寧に一生懸命やる。人とのコミュニケーションをしっかり取りながら明るく一生懸命やる。

そうしていくうちに、何かとスタッフからサポートを受けることが増えてきました。結果、私は自分1人だけで抱えていたことも少し楽になり、頼もしい仲間と思える人間関係に恵まれることが出てきて、居心地が良くなってきたのです。

アンチはアンチらしく全く変わりませんが、自分を取り巻く環境が変わってきたおかげでダメージを減らしてくれます。

「他人を変えようとするより自分を変えよ」の恩恵。

スタッフに甘えているだけ?という結果にも思えるのですが、私はどちらかというと1人で抱えるよりチームプレイ派です。さらにいうと、万が一自分が病気などで長期不在になったとしても、難なく業務が回るというのが理想です。

私が実践した業務は、手術室の汚れた床をモップがけしたり使用した物品を補充したり、手術ベッドメイキングしたり、ME機器の入れ替えをしたりなどです。いつもより念入りに心を込めてやるのです。でも基本ですよね。恥ずかしいです。これらの仕事は通常、看護補助者(通称私たちはアシストさんと呼んでいる)がやってくれている業務です。

そういう仕事を改めて誰よりも一生懸命やるって気持ちよくて。時間なくても一つでも多くやろうと頑張ってみたら意外とできた。つまり、今まで自分が甘かった。

私が2024年に掲げた目標は「情熱と脳力を持って対処し」1日1日を乗り越えよ。その情熱の部分をここで発揮しなくてはと思っています。

働き方改革などの「タスクシフト」とは逆方向に行ってないですか?と言う指摘もあるかもしれません。また、背中で仕事への姿勢を教えるなどの古風なやり方に見えますが?と言う声も聞こえてきそうですね。

確かに!

でも、幾つになっても誰よりも一生懸命、基本的な初歩的な仕事をやってる人のビジュアルってどう思いますか?

それを見たことのある人は、心に残ってませんか?また、見たことが無い人は何もインスパイアされることが無い。人って刺激があって変化する生き物ですよね。少なくとも私はそうです。良い本に出会えたことで変われることがあるほどに。

誰でも出来る仕事を、誰よりも一生懸命やるってみんなが一斉にやり始めたら職場の風土が爆上がりですね。起爆剤は誰でしょうか?誰かがはじめにやらなければ始まらない。

必ず共鳴してくれる人は出てきてくれると信じて「誰でも出来る仕事を誰よりも一生懸命やる」を実践して、自分にとっても他人にとってもwinwinな、そして居心地の良い風土が出来上がってくれら幸せですね。

トイレ掃除を一生懸命に頑張った磯山氏の例を見ても全く夢のない話ではないのではないでしょうか?

自分が楽しく働ける環境。

どんな職場が理想でしょうか?

やはり、人間関係でしょうか?それとも、給与に見合った業務量、業務内容でしょうか?

やってられないなぁ。。。って思う時。正直ありますよね。頑張ってるのにこれ以上一生懸命やらなくてはいけないの?って。

でも、腐りかけていたとき近くで一生懸命に仕事をしていた若い麻酔科医師が言ってくれたんです。「僕はモチベーション高く、一生懸命にやってる人と一緒に働くのが好きなんです」と。

「自分もだ!」と思いました。なんか勇気づけられますよね。

成果主義の中で生きていると、数字で管理され目標数字を達成するために100%以上の努力をしなければいけないと思っていました。確かに必要な場面はあると思うし、仕事における最大瞬間風速が吹く時もあるのでそれに耐えられる自分を作っておくことも必要。

でも、一方で肩肘張らずに楽な気持ちでできることもあります。

例えば、
①すれ違う人と笑顔で挨拶をして少し雑談をする。
②何人かで清掃業務をする時、ポジティブな話題で盛り上がる。
③直筆でサインが必要な時、いつもより丁寧に書く。
④休憩室のドアの開け閉めは丁寧にやる。
⑤誰かにメモを書いて渡す時は必ず「〇〇さん、お疲れ様です」「昨日はありがとうございました」「〇〇さんへ、いつもありがとうございます」などを加えてから本題に入る。
⑥会話をしているときに、必ず一つはジョークを言う。ユニークな話を織り混ぜる。
⑦電話をとって相手が誰かを知ったときに、その人の顔の表情を思い浮かべて話し始めると自然と親しみや柔らかい口調になる。
⑧何かを手渡すとき、片手ではなく両手で渡してみる。
⑨大事なことを口頭で伝えるときは、いつもより少しゆっくりと話す。
⑩複数人の前で話すときは、出来るだけ一人一人に目を合わせながら話をする。

10カ条として日頃心に留めて過ごすことで、人間関係が良くなり、メッセージが伝わりやすくなり、様々な情報が自然と人から入ってくるようになりました。それによって、ミスにつながりやすい事項を事前に回避できたり、疲れてきているスタッフをサポートするきっかけになったり、笑顔になれる瞬間を作るきっかけが思いついたり、などなど。

結果的にインシデント、アクシデントの発生レベルが低下したり、コミュニケーションの成果として人間関係の向上で離職率が低下したりなどの数字に現れる成果もついてきます。

先ほどの10カ条は、いくらやってもノーコストでありながらノーリスクです。お得感ないですか?これをやるときは自分は楽な気持ちでやることを心がけてます。
そのおかげで、不思議なことに職場にいる自分の気持ちを楽にする習慣が少しづつ出来上がってくるんです。相手のためでもあり、自分のためにもなってwinwinです。

仕事って自分に負荷をかけてしまうものですよね。でも、楽な気持ちで自分にとってハードルを下げた「凡事徹底」を少しづつやってみると意外な成果が得られて楽しいです。

最後までお読み頂いてありがとうございました。




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