甘辛ミックスな女
『月の満ち欠け』
一言で言うと、なんだかんだで面白かった。
不思議な展開に引き込まれて、最後まで釘付けで観てしまった。
その「なんだかんだ」の部分をちょっとだけ…笑
おうおう瑠璃さんよぅ、待て待てちょっと待てぃ!
居場所を求めて、愛を探して、執着して…いろいろやってくれたな。
いや気持ちは分かる。あ、やっぱり分かんない。うーん、少しは分かるか。(でもやり方は変える)
ちょっと粘着質だったね。…とりもち、後処理考えた?
やたらと顔のいい正木さんも追いとりもち、追いもち。
2人は似てるのかもしれない。
育ってきた環境こそ違うけど(♪セロリか)、窮屈でどこか満たされない人生を歩んできた2人。
正木は瑠璃に想いを寄せ、彼女が働く店に足繁く通う。
「私の居場所はここじゃない、って顔してます。(ニュアンス)」
と声をかけ、
「僕に君の居場所を用意させてもらえませんか」
とプロポーズする。
正木も、いや正木の方こそ、居場所が欲しかったのかもしれない。
瑠璃の"私の居場所はここじゃない"という満たされない思いを、言葉を交わす前から見抜いていた正木。
瑠璃のことすごく理解してるじゃんかー泣
朝帰りをして 三角からもらったいちご煮を嬉しそうに見つめる瑠璃に、
「久しぶりに笑った顔を見ました。(ニュアンス)」
とやたらといい顔で冷たく言い放つ正木。
普段から瑠璃のことよく見てんじゃんかー泣
生まれ変わった瑠璃を1ミリも疑わず追いかける(正確には追い詰める)正木。
純粋じゃんかー泣
社会的地位を失いかねない女性蔑視発言、暴力、利己主義者…顔以外サイテーだけど。
この 誰かのトラウマにもなりかねない台詞を吐く役を避ける俳優、事務所もあるだろうに、そんな事は物ともせず。さすが俳優 田中圭。
どんな心情なのか、どうアプローチするか、役として考えることはあっても、仕事を受ける事に関しては悩まなそう…好き。(蘇るみんな大好きクズ堀田)
学校の前で女子高生瑠璃を連れ去ろうとして、ゆいに
「この人痴漢です!(ニュアンス)」
と叫ばれたとき、
(あ、私の方こそ痴漢のような目で見ていてごめんなさい…)
ってなったよね。痴漢、ダメ、絶対!
だいたいさ、瑠璃はライダース×ワンピース着てんのよ。さらには真っ赤なトップスの日も!
甘辛ミックスを着こなす瑠璃。
ただのかわい子ちゃんではない。
信念を貫き通す女なの。(諸説あり)
雨やどりをして三角と出会った日ー。
あんな可愛い顔して 出会ってすぐにちょっと敬語を崩してみたり、さらっと年上感出してみたり、モテを心得ているではないか。
奥義!内面的甘辛ミックス!!
簡単に正木の思い通りになる女じゃない。
目を覚ませ、正木竜之介!
そこは見抜けなかったか…泣。(こっちおいで)
兎にも角にも、瑠璃は三角を、正木は瑠璃を手に入れようと心血を注ぐ2人。やはり似ているのでは…。
愛とは与えるもの、って誰か言ってなかった?
まぁでも、いろんな愛があってもいい時代か。
そしてゆいちゃん…
おばちゃんびっくりしました。
7歳まで大事に大事に育てた我が子に突然親友の魂が憑依して、どうしてそんなに受け入れ態勢抜群なの⁉︎
「行ってらっしゃい」
と1人三角の元へ送り出すのも手慣れたもんだったね。(また伊藤沙莉ちゃんのあの落ち着いた声と喋り方がなおさら…)
私なら無理よ。
今まで育てた我が子の人格、魂どこ行った?
お風呂すら一緒に入るの躊躇うわw
地球外生命体が母体を乗っ取りなんちゃらかんちゃらって話なの?ってちょっとゾワっとしちゃった。
梢もなかなかどうして…紛れもなく親子ね。
冒頭で 小山内に「おかえりなさい」と言ったあの子が、母親に「お邪魔しますでしょ」と注意される。
ラストであぁ!ってなるの、ベタだけどけっこう好きです。
散々好き勝手言ったが、本当に観客を飽きさせない映画だった。
田中圭さんはミドルエイジになろうと優勝だという事が分かったし(知ってた)、結局私は甘辛ミックスな女に心底憧れている。
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