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物語があるほうがいい

モノよりコトに関心が移った、アフターコロナの世界。
そんな中でもモノを手に入れる場合、時価のような相対的な価値よりも、思い入れや自分にとっての物語といった絶対的価値があったほうがいい。
そしてそれは、大人に限った話ではない。

こどもたちがモノを手に入れる機会は、イベントの節目節目で訪れる。
たとえば、誕生日やクリスマス。
本人が衝動的に欲しいものを手に入れることは、いっときの所有欲や願望を聞いてもらえた肯定感を満たしてくれる。
しかし、だからといって、簡単に手に入ったものは一過性の喜びでしかない。

我が家の長女の場合、モノづくりの先に手に入れたものを大事にしがちだ。
CMやテレビをみて欲しがり、イベントで買ってもらった流行りのものの使用頻度はとても低い。
やってみたいと言い、時間をかけて手をかけて自力でコツコツ作り上げたものは、それ自体に物語が生まれる。
自分だけの物語には、愛着がついてくる。
自分で裁縫して作ったキャラクターのゴム。
自分でこねて焼いて色をつけた箸置き。
ある種のコトに該当する、モノ。
これが長くそばに置きたくなる秘訣なのかもしれない。

次女の場合は、粘り強さは年相応だが、物語を作り出すのが上手いなと感じる。
お姉ちゃんが買ってもらったものも、うらやましさと好奇心で色付けて、自分だけの思い入れを持って拝借する。
もちろん黙って借りるとけんかの火種にはなるが、きちんとお伺いを立てて、筋道を通して借りられた時には、自分の世界の中にはなからあったかのように堂々と取り入れて遊んでいる。
具体的なコトがなくても、ゼロからイチを生み出せる強みがあると、モノに物語をつけられることを彼女から学んだ。

私自身もただモノを増やすよりもコトの消費を好むようになったが、こどもと暮らす日々の中で、モノに物語がついてくる面白さを知った。
その最たる例が、「ろくべえ」である。


個々それぞれいろんなアプローチがあるだろう。
自分が見出す価値がどこにあるか、しっかり見つめて意識していくことで、自分にとって充実した暮らしが整えていけるにちがいない。

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