ジャスト・ザ・スリー・オブ・アス
「いま、うちはさんにんきりだねぇ」
のんびりとした明るい口調で、次女が後ろから話しかけてきた。
私は前をみたまま「そうだねぇ」と答えた。
さんにんきり、という言葉がせまい車内に波紋となって響き、頭の中に何度もこだました。
さんにんきり。
ひとりずつ増えてきた家族の道のりがあった。
直近のふたつは私のなかではじまったが、ほどなくして自分の心臓を打ち鳴らし、あっという間にそれぞれの人生を歩み出した。
ばらばらが寄って集まった家族。
これからも出入りがあるのはまちがいない。
さん