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#17 誰でも読めるMTG英語 謎の equal と commander の基本

はじめに

いよいよ本日から「Commander Legends:Battle for Baldur's Gate」
つまり「統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い」
のプレリリースが始まります

それにちなんで、今回は統率者に関するカードを訳していきます
統率者に関係なく重要な表現も出てくるので、今は統率者に興味ないよって方も、ぜひ見ていってください


commander's color identity

それでは、今回のカードはこちら

《オパールの宮殿》

(……バルダーズ・ゲートの収録カードじゃないのはご容赦ください)

基本的に無色1マナを生む土地なのは解りますね
問題は1マナとこれをタップで起動する能力の方
長い文章の、まずは最初の文

Add one mana of any color in your commander's color identity.

「add」は「加える」なので
「one mana of any color」までで「任意の色1マナを加える」
ここまでなら単なるマナフィルターですが、さらに指定があります

「in your commander's color identity」
最初に紹介したセット名からも「commander」が「統率者」なのは解るので
「your commander's」で「あなたの統率者の」
「color」が「色」なので
「identity」を「アイデンティティ」と読む事に気づければ、予想できますね

commander's color identity」で「統率者の固有色」です
「固有色」は統率者戦の独自の概念で、他のフォーマットのカードでは見ない表現なので
無理に覚えなくても何となく読めるかもしれませんね

まとめると
「あなたの統率者の固有色の中から好きな色の1マナを加える」
ですね


number of と equal

残りの文の前半がこちら

If you spend this mana to cast your commander,

「if」は#7でやった条件分岐の「なら」

「spend」は「消費する」
「this mana」は「このマナ」なので、先ほど加えた
「one mana of any color in your commander's color identity」
の事でしょう
「to cast」で「唱えるために」
「your commander」は「あなたの統率者」
なので、まとめると
「あなたの統率者を唱えるために、このマナを消費するなら」

その条件を達成したら実際に起こる事を書いた、文の後半がこちら

it enters the battlefield with a number of additional +1/+1 counters on it equal to the number of times it's been cast from the command zone this game.

「it enters the battlefield」で「それは戦場に出る」
「it」とは今から唱える「your commander」の事でしょう

そのあとに「with」とあるので何かと「ともに」
その何かとは「a number of additional +1/+1 counters on it」
「additional」は「追加」なので
「additional +1/+1 counters」で「追加の+1/+1カウンター」
が「on it」で「それに乗った」
「number(ナンバー)」は「数」なので
number of」で「+1/+1 counters」の「数量」を表してるんですね
#5でやった「amount of」と全く同じ意味です
(「number」は可算名詞で「amount」は不可算名詞で使い分けられてますが、読む分には覚えなくて平気です)

ですが、「a number of」では具体的な数が解りません
ここで重要になってくるのが「equal
この英単語、読めますか?

答えは「equal(イコール)」です
読めてしまえば、すぐに解ります
つまり、謎になっている具体的な「number」は
この「equal」の後の言葉で説明されるわけですね


it's been cast

では、その「equal to」の後ろ

the number of times it's been cast from the command zone this game

「time」には「時間」以外に「next time」で「次回」の様な意味もあるので「the number of times」で「回数」

その後の「it's」は「been」と過去分詞が続いてるので
「it is」ではなく「it has」の略で、「have 過去分詞」の現在完了形
「cast」が現在形、過去形、過去分詞が全て同じ単語なのを踏まえると
その後の「been cast」の「cast」は過去分詞で「be 過去分詞」の受動態
つまり「it's been cast」で現在完了の完了の意味で「それが唱えられた

と、小難しく書きましたが
#8でも話した通りカードテキストとして読む分には
現在完了形は大雑把に過去形と同じ様なものと考えて大丈夫です

最後に「from the command zone」が「統率者領域から」と
「this game」を「このゲームで」と訳したら
それら全部をまとめて

「あなたの統率者の固有色の中から好きな色の1マナを加える」
「あなたの統率者を唱えるために、このマナを消費するなら」
「それは追加で、このゲームで統率者領域からそれが唱えられた回数に等しい数の+1/+1カウンターを乗せて戦場に出る」

となります
もう、これだけの難しい長文も訳せる様になったんですね
英語のカードも読めるものが相当増えてると思います


おまけのhomework

今回のおまけ問題はこちら

《群がるフェアリー》

「power(パワー)」と「toughness(タフネス)」を定義する能力も
「equal」で表せるんですね
それさえ解っていれば、きっと訳せるはず


それでは、また次回

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