南風2023

宮崎市在住の自営業(フリーランス)独身男性。 心に浮かんでは消える他愛のない事柄を、と…

南風2023

宮崎市在住の自営業(フリーランス)独身男性。 心に浮かんでは消える他愛のない事柄を、とりとめもなく。

最近の記事

「愚行」を愚考してミル

昨日、ABEMA Primeで興味深い動画を見ました。 食べ物を意図的に、粗末に扱う動画を作成する2人組がいるそうです。野球のバットでボールとして打ったりするようです。意図的に炎上させることで再生数を稼いで、それなりに儲けてるのだとか。 さっそく、Youtubeに動画が上がっていました。 若いユーチューバー2名の主張は、わりと明快です。 実際、彼らの動画はBANされていないようです。 アカウント凍結もない。それもそのはずで、海外のユーチューバーは、この手の動画でもっ

    • リセット・ボタン

      「人間関係リセット症候群」という言葉があるそうです。 年末になると、このリセット症候群が増えると聞きました。 今年も残すところあと3週間、リセットに着手する方が増える時期なのかもしれません。 日本では伝統的に、年末に大掃除が行われます。これには、わりと合理的な理由が存在します。一年間の穢れや、悪い運気を取り除くのです。新しい年を清浄な空間と気持ちで迎えたい。整えたいのですね。 古いものを捨て、不要なものを整理することで、新年に向けてポジティブな気持ちでスタートができま

      • 小津と馬生、そして波平

        先日、NHKで小津安二郎の特集を見ました。 小津安二郎は、戦前から戦後にかけて活躍した映画監督です。国際的にも高く評価され、その知名度と人気は、黒澤明に引けを取りません。 代表作のひとつ『東京物語』は海外での評価も高く、映画史上最も偉大な映画の一つとして広く認められ、過去に「史上最高の映画」に選ばれたことがあります。 冒頭のセリフは、『晩春』という映画のワンシーン。 鎌倉で2人暮らしをする親子の話です。父親役を笠智衆、娘役は原節子が演じました。見合いの話を持ちかけられ

        • 控えめに言って

          いつからでしょうか。 気が付けば、あらゆるところで「控えめに言って」という表現を見かけるようになりました。「ごく控えめに言って」とか「控えめに言っても」といった派生形もあります。 お洒落な響きがあります。翻訳文のようです。冒頭に引用した村上春樹さんの文章は素晴らしいですね。「ごく控えめに言って」があるのとないのとでは、文章の味わいが、まるで異なります。 そもそも「控えめに言って」という表現の実態は何でしょう? これはつまり、遠慮して言ってますよ、誇張してませんよ、本当

        「愚行」を愚考してミル

          バラの花と林檎の木

          黄皓さんは高身長、高収入のイケメン実業家です。 人気番組『バチェラー・ジャパン』で一躍有名になりました。Amazonプライム・ビデオで配信されたこの番組は、カテゴリーとしては、恋愛リアリティショーになります。 ハンサムで経済力のある独身男性が、ゴージャスなデートをしながら最愛の女性を選ぶ。そういう企画の番組です。男性版(バチェラー)と女性版(バチェロレッテ)があって、黄皓さんはその両方に出演されました。 運命の女性を選び、番組内でプロポーズした黄皓さんは、ほどなく結婚し

          バラの花と林檎の木

          サード・プレイス

          最近、心に残った言葉のひとつです。 このところ、宝塚や楽天など、ハラスメントの話題を耳にすることが増えました。日大も理事長がハラスメントで訴えられていると聞きました。 嫌な時代だなあ、と思います。しかし、抑圧されてきた「声なき声」が表に出るようになっている、と考えれば、時代は良くなっている途上ともいえます。隠蔽されず、表に出てくる分、まだ救いは残されています。 ハラスメントは他人事ではありません。いつ自分の身にふりかかってくるか分からない。被害者ではなく、加害者側になる

          サード・プレイス

          推し活と赤い鳥

          「推し活」が流行りだそうです。 アイドルや声優、俳優などを、熱心に応援することを言うそうですが、こうした活動は、昔から存在したと思います。ただし、かつては「追っかけ」とか「オタク」とか言われていて、イケてるイメージはありません。 令和のご時世になり、キャッチーなネーミングを得て、飛躍的にイメージが良くなりました。女性アイドルに限らず、韓流スターや声優、アニメなど範囲も広がり、年齢性別を問わず、堂々と「推し活」を主張できるのは喜ばしい限りです。 すでに多くの人が指摘されて

          推し活と赤い鳥

          スピードアップの時代

          「タイパ」という言葉を、よく耳にするようになりました。いまさらではありますが、例の先生に聞いてみました。 なるほどね。 昔から、ある程度の速読をしていましたが、近年は動画に移っているのですね。ユーチューブを倍速で観ることができるのを知ったのは、つい最近のことでした。調べてみると、Abemaテレビも倍速で視聴できますし、Voicyも倍速対応しているようです。 全然知りませんでした。 使ってみると、たしかに便利です。よほど滑舌が悪くない限り、ほぼ聞き取れます。近年は「オー

          スピードアップの時代

          Will You Dance?

          脚本家の山田太一さんがお亡くなりになりました。 山田太一さんのドラマが、大好きでした。 最も脂が乗りきっていたのは、80年代までだったでしょうか。後年は、小説に軸足を移されて、ドラマの本数は減りました。小説でも素晴らしい実績を残されました。 しかし、山田さんと言えば、やはりドラマです。 代表作「ふぞろいの林檎たち」をリアルタイムで観れたのは、幸せでした。金曜の夜が本当に楽しかった。 ドラマで描かれる就職活動や社会人生活は、非常にリアルで、大人の世界を垣間見るようでし

          Will You Dance?

          赤ん坊と不死鳥

          あいかわらず、日大が混乱の極みのようです。 とうとう、アメフト部の廃部まで報じられました。ここまで、こじれるものかなあ、と驚くばかりです。 日大の方針は、 「こうなったら、アメフト部廃部!」 だそうですが、これも、ひとつの考え方ではあります。直接、病巣を取り除こうという考えです。「局所療法」と言われるものです。 組織の問題を「がん細胞」にたとえるならば、がん腫瘍の周りにある組織ごと、つまり臓器ごと取り去ってしまえと。たしかに、そうすることで、転移リスクは抑えられますね

          赤ん坊と不死鳥

          ゴンドラの唄

          悲しいニュースを見ました。 自分より若い方が亡くなると、そしてそれがテレビで印象に残る方であると、なにか胸が締め付けられるような思いがします。 詳しいことは分かりませんが、闘病中だったようです。直近の写真を見ると、かなり不自然に痩せておられます。大変だったのだろうな。苦しかったのだろうな。言葉もないです。 若くして事故や病気で亡くなる方がいて、海外では、たとえばガザ地区では子供も含めた多くの方が亡くなっている。 一方で、自分は生きている。 不安や不満はあるけれど、と

          ゴンドラの唄

          印象に残らなくとも

          アンサング・ヒーローという言葉があります。 ヒーローとは「英雄」のことですね。(英雄として)称賛されない英雄、という意味です。日本語としては「縁の下の力持ち」がピッタリかもしれません。 先日、ゴールデン・グラブ賞の表彰式が開催されました。阪神タイガースからは坂本誠志郎捕手、大山悠輔内野手、中野拓夢内野手、木浪聖也内野手、近本光司外野手が表彰を受けました。5選手の表彰は、球団史上最多だとか。 つい最近まで、失策数ワーストを更新してきた球団とは思えません。立派なものです。ユ

          印象に残らなくとも

          満天

          東京には空がない。 そういう詩がありました。気になって、調べたところ、高村光太郎の詩集『智恵子抄』の「あどけない話」という詩でした。 妻を偲んで、没後に高村光太郎が出した詩集が『智恵子抄』です。 智恵子は、福島県で酒造業を営む資産家の娘として生まれます。 東京に進学し、無名の芸術家であった高村光太郎と恋に落ちます。同棲を始めますが、今も昔も、芸術家として食べていくのは容易ではありません。2人の生活は、困窮を極めたと言います。 さらに、不幸が追い打ちをかけます。 裕福

          マシュマロにご用心

          テレビ局の幹部の着服事件、非難ごうごうのようです。 こうした「不祥事」は「人の問題」と「組織の問題」がありますね。属人的な問題と、システム的な問題と言っても良いんですが。 もちろん「人の問題」が一番大きいです。まともな人間はこんなこと、やりません。 この局長は名前を晒され、仕事を失い、懲戒解雇で退職金も出ない。今まで築いた信用も地位も何もかも失います。年齢的にもリカバリーが困難なレベルで、社会的な罰を受けることになると思います。 さて、問題はもうひとつ残っています。「組

          マシュマロにご用心

          笹塚

          「ダウンタウン」には、売れない時代がありました。 あれだけの才能です。40年以上の長きにわたり、お笑い界を牽引しています。すぐに売れたよね?そんなイメージが、なんとなく世間にある気がします。 事実は異なります。 デビューして数年間、彼らは大して売れていませんでした。 くすぶり続ける2人の才能を導いたのは、吉本興業の元会長、大﨑洋さんです。「3人目のダウンタウン」と言われる方です。 大﨑洋さんは、こう語ります。 ほぼ同世代のわたしの体感では、彼らの関西における人気のブ

          沈黙は癌のように

          『愚か者よ、沈黙は癌のように広がるのだ』 そう歌ったのは、サイモン&ガーファンクルでした。『サウンド・オブ・サイレンス』という楽曲です。 この楽曲は、彼らのデビュー・アルバム『水曜の朝、午前3時』に、ひっそりと収録されました。1964年10月に発売されたこのデビュー・アルバムは当初、ほとんど売れなかったそうです。 ところが、ボストンのとある深夜番組のDJが、この楽曲をいたく気に入ります。自分の番組で流したところ、リクエストが押し寄せました。 ボストン近郊には、多くの大

          沈黙は癌のように