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自分自身は誤魔化せない

ひと月ほど前から取り掛かっていた刺繍が完成した。

いや、完成したとは言えないかもしれない。

クロスステッチという、布の織り目に刺していくという手法の刺繍なのだけど、
最後の一刺しというところで、
あれ?
と一段ずれていることに気づいた。
どこでずれてしまったのか、自分でもなかなか見つけることができなかった。
やっと原因を突き止めたけど、かなり前の段階で間違えてしまっていた。
やり直すとなると手持ちの糸が足りなそうである。

友達に見せたところ、全く分からないという。
そりゃあそうだろう。
当の本人も間違い探しにかなりの時間がかかったのだから。

まぁ、いいか。
誰も気づかないレベルなのだから、気にしなくてもいいだろう。
これにて完成!

けれども、私の心は晴れない。
この作品を見るたびに間違った箇所ばかりが目についてしまうのだろう。

気づかなければなんてことなかったのだろうけど、
気づいてしまったのだからしょうがない。

人の目は誤魔化せても、自分自身を誤魔化すことはできないのだ。

やっぱり糸を買ってやり直そう。
いつまでもこの作品を堂々と爽やかな気持ちで
正面から見ることができるように。

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