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初の鹿児島!駆け抜けろ九州道【鹿児島編②】
前回の記事で、知覧と言えばお茶、武家屋敷、そして知覧特攻平和会館の3つが有名だと述べたが、今回はその2つ目の武家屋敷を訪れるところから書き出していこう。
しかし、ここも前回と同様、あるいはそれ以上に期待を裏切ってくれた観光スポットだったのだ。
知覧武家屋敷
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知覧特攻平和会館を後にした私達は、次なる目的地である武家屋敷を訪れた。
江戸時代の武家屋敷とその庭園が今に残っているとして、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されているそうだ。
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石垣と生垣から成るつくりが景観に優れているといい、実際に武家屋敷の通りにある道路から見る景色はとても良かった。
しかし、問題はこの通路以外の部分だった。
残る部分といえば屋敷と庭園なのだが、これがなかなかに期待を裏切ってくれるものだったのだ。
もちろん、いい意味ではない。
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これが武家屋敷の庭園だそうである。
見る人が見れば立派なものなのかもしれないが、私にはこの庭園の良さが少しも分からなかった。
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庭園も残念だが、屋敷もそう大差は無かった。
というのも、これらの屋敷群は現役で住居として使われているため、ガラス戸などが設置されていて武家屋敷といった風情は失われているからだ。
現に住民が居住しているから仕方がないことだが、江戸時代の武家屋敷が残っている事を期待していたので、やはり落胆してしまった。
知覧型二ツ家
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風情のない武家屋敷に落胆していた私だったが、一軒だけ貴重な文化財を発見した。
知覧型二ツ家という民家であり、全国でも知覧にしかない形式なのだという。
こういう当時の建造物こそ私が現地へ足を運んでも見たかったものなのだ。
驚くべきことに、この知覧型二ツ家のみは無料で見学が可能だった。
これに対し、先述の武家屋敷庭園は有料なのだ。
要するに、有料で見学できるものよりも無料で見られる文化財のほうが満足度が高かったということである。
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げたんは
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知覧武家屋敷ではお茶とお菓子を出しているお店があり、せっかくなので入ってみた。
友人はアイスクリームを注文していたが、現地ならではのグルメを堪能したかった私は郷土菓子の「げたんは」を注文した。
黒糖と鶏卵で焼き上げたお菓子という事で、柔らかく、そして大変甘い。
鹿児島の名産品である黒糖を用いた実に鹿児島らしいお菓子だった。
非常に気に入ったので、翌日お土産として道の駅で購入したほどだ。
鹿児島を訪れた際は、ぜひ一度味わってみて欲しい。
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桜島
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武家屋敷を見物して知覧町を後にした私たちだったが、早くも次の目的地をどこにするかで迷っていた。
これは無計画に鹿児島に来たとか、下調べを怠ったとかいうわけではない。
有り体に言えば、楽しみにしていた知覧があまりにも残念だったことから大きく落胆しており、旅行で味わいたかった感動や満足感を得られていなかったことに起因する。
要するに旅行ならではの感動を覚えられるようなスポットを心底渇望していたので、確実に満足感を得られるスポットを選定しなければという強い想いがあったのである。
候補は複数あり、薩摩藩の大名庭園である仙巌園、指宿にある砂むし温泉、そして桜島の3つから選ぶことにした。
まず仙巌園だが、武家屋敷の庭園を観てがっかりした直後だったので、庭園というだけで早速候補から外した。
もちろんタイミングが悪かっただけなので、いずれ行ってみたいとは思う。
次の候補である砂むし温泉は興味深かったのだが、距離が離れているため候補から外すことにした。
この日の宿泊先は鹿児島市だったので、知覧(南九州市)よりもさらに離れた場所に向かうと時間的に余裕が無くなると思ったためだ。
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地図を見てみると、砂むし温泉のある指宿市から鹿児島市まではフェリーが就航しているのが分かる。
今になって思えばカーフェリーを使うという手もあった。
次に行くときは、カーフェリーを使って指宿からの往復または片道の移動をするのもアリだろう。
多くのカーフェリー航路が就航している鹿児島では、フェリー移動も選択肢に入れやすいのが利点だ。
そして、最後の選択肢が桜島となった。
桜島は鹿児島市の市域に属し、海を跨ぐとは言え鹿児島市の中心部からカーフェリーでわずか15分の距離にある。
宿泊施設からの距離が近いことに加え、桜島そのものが名勝として指定されるほど景観が良い場所であり、また黒神埋没鳥居などの名所もある。
これらの事情をよく勘案し桜島を観光するのが最も良いと考えた私達は、桜島フェリーの発着場である鹿児島港へと向かったのだった。
桜島フェリー
鹿児島市中心部から桜島へ向かう手段は2つある。
1つ目は完全に陸路のみで行く方法で、九州道及び東九州道を使って九州本土と接続している垂水市側へ回り込む方法だ。
2つ目は桜島フェリーを使い、桜島港へ直接向かう方法となる。
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結論から言うと、基本的には2つ目の方法一択と言っていい。
その理由は地図を見れば明白で、カーフェリー不使用の場合は錦江湾を大回りするという尋常ではない広域迂回をしなければならないからだ。
時間にしておよそ一時間半を要する。
最短距離を行くカーフェリーならば15分で辿り着いてしまう。
比較検討するまでもなく、全く勝負にならないのである。
したがって、波が高いなどで航路を選択できないような格別の事情が無い限り、陸路のみで迂回するという選択肢は存在しないといって良いだろう。
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カーフェリーに乗り込む際に私たちが先頭だったので、偶然このような写真を撮ることが出来た。
このフェリーの自動車の輸送区画は二階建てになっており、一度に大量の車両を輸送することが出来る。
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以前、カーフェリーに乗船した時にも思った事だが、やはり船での移動というのはとても非日常感を感じられる。
この日で最も観光をしたと感じたのは、この桜島フェリーに乗船していた間だったと言っても過言ではないほどだ。
展望デッキへと出て、波音を聞き海風にあたりながら桜島や鹿児島市街地などの船から見られる景色を眺めていた。
こういう時間がとても心地よい。
単なる移動手段以上の満足感を得られたと思う。
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道の駅桜島
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桜島港に到着後、桜島を一周する前に立ち寄ったのが道の駅桜島だ。
登録路線は溶岩道路の通称を持つ国道224号で、元々は溶岩原(溶岩によって形成された平地)に敷設された道路である事が由来だそう。
なお、桜島へ渡るために利用した桜島フェリーも国道224号の海上区間として扱われており、このような道路を海上国道と呼ぶ。
フェリー航路による海上国道を通過したのは二回目で、一回目は国道16号の海上区間に相当する東京湾フェリーだった。
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道の駅たるみず
桜島における目的地は黒神埋没鳥居であり、その上で桜島を一周するというものだった。
しかし、現地で道の駅の案内標識を目にして気になったので、一旦桜島を出て垂水市へ向かうことにした。
なお、桜島を出ているのに桜島の一項目としているが、色々面倒くさかったのでどうか目を瞑って欲しい。
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道の駅としての規模は大きい方で、売店や飲食店などに加えて日帰り入浴施設も設置されているようだった。
この日はさすがに時間に余裕がなかったため、入浴はしていない。
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牛根大橋
桜島から垂水市方面に向かうと現れる国道220号の橋梁で、バランスドアーチと呼ばれる珍しい形式のアーチ橋となっている。
かなりの高さなので橋上からの眺望もよい。
横から撮影するとよく映えるのだろうが、さすがにそのためだけに低地へ降りている時間もなかったので、橋の上からしか撮影することが出来なかった。
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随分新しい橋だと思っていたが、後日ぼんやりと地図を眺めていると旧道らしきものがある事が分かった。
こうした旧道の痕跡を見つけては、古い地図や衛生写真と対照するのが楽しいのだ。
早速今昔マップという古地図や古い衛生写真を提供しているウェブサイトを利用して、牛根大橋付近の国道220号について調べてみた。
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これが現在の牛根大橋周辺だ。
南側に並走する道路と現道との位置関係を見れば、ここが旧道だと察するのは容易いことだろう。
やはりここは国道220号の旧道で間違いない。
調べたところ、旧道区間は雨量規制によって頻繁に通行止めになっていたことから、バイパスとして牛根大橋を含む区間が整備されたようだ。
開通は平成20年で、割と最近開通した区間であることも判明した。
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赤丸で囲った部分は、いずれも線形改良されて本線が切り替えられた跡だ。
並走してきた道路が強引に曲がって本線と交差させられており、こういう交差点は高確率で旧道との分岐だと言っていい。
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もう一つ驚きだったのは、国道220号から分岐し桜島を一周して桜島港へと至る鹿児島県道26号桜島港黒神線にも旧道部分が存在した事だ。
藪に埋もれてしまっている部分もあるが、Googleマップにはその痕跡が薄灰色で示されている。
先ほどの昭和の衛星写真からも当該区間が旧道であることは明らかで、現在と異なり2回も急カーブを描いていた事が判明した。
狭い範囲に二種類の道路の旧道がそれぞれ存在しているという、大変美味しい区間だった思う。
一度行った場所の地図を見返すと、こういう発見もある。
旅も勉強と同じで、復習が大切なのかもしれない。
黒神埋没鳥居
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桜島に行こうと決めたはいいが、やはり何か明確な目的地が欲しい。
有り体に言えば見どころ、要するに観光スポットだ。
そこでしか見られない景色や建物を観ることは、旅の何よりの醍醐味と言える。
桜島にもそんな場所が無いかと思いあらかじめ目をつけてあったのが、この黒神埋没鳥居だった。
大正時代の桜島噴火の際、降り注いだ火山灰などによって大半の部分が地中に埋没してしまった神社の鳥居だ。
見事に上の部分しか残っていない異様な光景は、まさにこの桜島(及びその周辺地域)でしか見られないものであると言えよう。
そう、こういうものが見たかったのだ。
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退避壕
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桜島に来て珍しいと感じたものの一つが、この退避壕だ。
活火山である桜島は噴火の回数も多く、いつ大きな噴火があってもおかしくない場所だ。
そうした特殊な環境故に、噴火により飛来する火山噴出物から身を守るために島内の各所には退避壕(シェルター)が設置されている。
この退避壕は場所によって様々な形状をしており、ドライブのついでに道路沿いにある退避壕を見て回るのも面白かったりする。
桜島観光のポータルサイトで紹介される程度には、島の見どころの一つになっているようだ。
さすがに通りがかりの退避壕を逐一撮影していては時間が足りないので、黒神埋没鳥居の駐車場に設置されているものだけにとどめた。
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多機能護衛艦のしろ
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桜島フェリーに乗船して鹿児島港を見ていたら、なんと偶然にも海上自衛隊の護衛艦のしろが寄港していたのだ。
この凹凸の少ない味気ない形状をしたこの護衛艦は、FFM(多機能護衛艦)と呼ばれる最新型の護衛艦もがみ型の4番艦にあたる。
この形状自体はステルス性を意識したもので、いわば現代海軍のトレンドのような形状といっていい。
普段は港湾地区から離れた場所に生活拠点がある私にとっては滅多に見られないものだし、何より最新の艦艇ということもあって、これを見られたのは非常に嬉しかった。
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鹿児島市内
さあ、二日目の最後は鹿児島市内だ。
この日は鹿児島市内のドーミーインに宿泊したのだが、鹿児島市の中心部が思ったよりも栄えているようで驚いた。
さすがは約60万人の人口を擁する県都だ。
それにしてもやけに人通りが多いと思っていたら、なんとその日は偶然にもお祭りの日だった。
活気を感じる一方で部分的な渋滞に巻き込まれることもあったが、これはこれでいい思い出になったと思っている。
この他にも驚いたこととしては、鹿児島市内にも路面電車(市電)が走っていたことだ。
地方都市ではたまに見かけるが、多くの大都市ではすっかり姿を消した路面電車である。
西日本には特に多いが(広島、高知、松山等)、まさか鹿児島の地にもあるとは思っていなかった。
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芋焼酎
夕飯は友人と市内の飲み屋でサシ飲みだ。
普段は焼酎など飲まないが、ここは鹿児島ということで芋焼酎を頂いた。
やはり蒸留酒はロックで飲むのがいい。
酒に強くも無いくせにロックで飲むのが好きという、どうしようもない人間なのだ。
そんな事を言っておきながら、実は二杯目は大人しく水割りで飲んでいたりする。
やっていることは全くロックではなかった。
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一緒に行った友人も焼酎は飲まない方だが、元々酒飲みの彼はこの店で色々な種類の焼酎を提供してもらい、焼酎の良さに目覚めたと言っていた。
翌日は道の駅で焼酎を買っていたほどだ。
友人の酒飲みのレベルを上げてしまったかもしれない。
ドーミーイン
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この日の最後はドーミーイン名物、夜鳴きそばだ。
ドーミーインではサービスメニューとして無料で夜鳴きそばを提供しており、宿泊客ならば誰でも食べる事が出来る。
シンプルな中華そば(醤油ラーメン)で、あっさりしていて夜に食べるにはちょうどいい。
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今回の記事は鹿児島に来た初日の午後からなのだが、想像以上に文量が増えてしまった。
フェリー移動も含め、桜島という場所が新鮮で濃厚だったのだろう。
脱線して書き連ねた国道ネタ、旧道ネタも影響しているかもしれない。
次の記事は鹿児島二日目、この旅で最大のお目当てである二式大艇を見に行く。
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