アマデウス・エッチギャング・モーツァルト

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【哲学小説シリーズ5】快楽の集い・ストア派のストア・ポイキレ【動画版あり】

動画版も出ました! * 「本日もようこそ!このゼノンめの行う哲学の集いによくぞこうしてたくさんの方々が集まってくださった。今宵も我が哲学の禁欲の道を説いて皆の教えの参考になればと、この集いの場所、アテナイはアゴラ内の画廊柱廊ストア・ポイキレに参りましたが、今宵の月は明るい!これは何か善い兆しかと思われますが、めでたいことに今日より新しく三人の同志が加わってくださることになりました。新参者の方々、こちらへ」 二人の女性と一人の男性が哲人ゼノンの横に立ち並ぶ。一人は、栗色の髪

    • 【哲学小説シリーズ4】 怪奇!開かずの扉・懐疑主義【動画版あり】

      動画版も出ました! 前編 後編 あらすじ 会議ばかりするブラック企業、懐疑主義ばかりの社員とその洗礼、洗脳、恐るべき上下主義と偏見の恐怖をコメディ、ナンセンスタッチで書く 本編 私の名は先川達夫。今、仕事が辛くて迷っています。うちの会社は見かけは良いですが、中身はとんでもない典型的なブラック企業なんです。 ワンマン社長の中西社長を筆頭に、毎日のように会議が繰り広げられます。一度会議室の扉が締まると、ほぼ夕方まで開くことはありません。そうです、我社の会議室のドアは

      • 【哲学小説シリーズ3】必殺忍法エポケー【動画版あり】

        ↑↑↑動画版も出ました! 私の名は相楽順一。真理の道を追求して早三十五年になろうか。私は自らが育ててきた自分の理論、相楽哲学を何としても世に広めねばならぬ。 あれは今から二十年前の晩秋のことだった。かの哲学者フッサールは既成観念などはいったんカッコに入れて新しい目で世界をとらえ直すことを私に教えてくれた。 私はその日、眺めていたコーヒーカップからふとした瞬間に相楽哲学の記念すべき第一定理を導くことに成功した。 そして現在。 今日も私は散歩をしながら思索にふけっていた。お

        • 【哲学小説シリーズ2】 怒れる巨神デマゴーグ【動画版あり】

          ↑↑↑動画版も出ました。 「ああ、なんてこの世は儚いんだ…」 そう、私は科学者の端くれとしてこの狂った世界を立て直すための秘策としてもうかれこれ二十年以上研究にもてる時間と情熱のすべてを費やして、ここまで辿り着いたのだった。 それは、どういう研究かというと、真理を計算する人工頭脳、いや、最近の軽薄な奴らの言うには人工知能を搭載した、秘密の最終兵器の開発だった。 もちろん、途中に挫折は何度もあった。しかし私はそこで舐めた辛酸をむしろ逆に甘いとさえ思った。 試作第一号の電

        【哲学小説シリーズ5】快楽の集い・ストア派のストア・ポイキレ【動画版あり】

          【哲学小説シリーズ1】激昂のエピステーメー【動画版あり】

          ↑↑↑動画版も出ました。 私の名前はパンサー横木。女子レスラーをやっている。旦那は歯科医。今日話すのは新婚旅行の時の話だ。 エーゲ海のある島が私達のハネムーンの初日の宿泊先だった。成田を飛び立ったジェット機の機内で哲学好きの旦那がゴチャゴチャと五月蠅くて機内で放送されていたプリティーウーマンの映画の一番いいところを見逃してしまった。どうでもいいフーコーだとか人類の終焉とかのことは、本当に映画のときくらいは勘弁してくれ。旦那は時に悪ふざけするくせがあって子供っぽいからその辺

          【哲学小説シリーズ1】激昂のエピステーメー【動画版あり】