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ヒストリー1 〜サルトの大冒険!〜

《サルト視点》

この世界は、主に東西南北で区切られている。

東エリア 特別地区

広大な土地を持つ東エリアの中心{特別地区}
には、九つの王族が存在する。

ディッチ家
エグバート家
マーシア家
ケント家
ドットチャイム家
アシリング家
イスリプ家
セルビー家
ヨーク家

九王国と呼ばれている。

それぞれに固有の領土はあるが、その領土を広げる為に、争いに発展した歴史もあった。血で血を洗う争いだった為に〝ベルング〟が介入し、それぞれの王族に罰を与え、それぞれの領地の境界線に〝アベルの壁〟を築かせた。


朝の光が、夜を覆い太陽が顔を出した。

ドットチャイム家の邸宅。

?『サルト坊ちゃん!お待ち下さい!』

サルト『いやだー!朝から勉強なんてしたくない!』

サルトを追いかける、召使いのアン。泣きながら、逃げるサルト。

アン『ダメです!ご主人様から言われているのです!
誰か!サルト坊ちゃんを捕まえて下さい!』

サルトは、邸宅の広い廊下を、人を縫うように
駆け去る。

アン『あーっ、もう!また逃げられた!
私がご主人様に叱られるのに!』


・・
・・・

廊下の角を曲がったところにある物置部屋。
その部屋の天井裏に、サルトは隠れていた。
サルトお気に入りの、秘密基地だ。

サルト『・・・なんで勉強なんかしなくちゃいけないんだ、、したくもないのに、、ぐすっ。』

涙ぐむサルト。

サルト『ここが、1番落ち着く場所なんだ。僕の居場所だ。』

目を服の袖で、こすり涙を拭いた。

【ゴロン】

大の字になって寝転ぶ、サルト。いつものように天井にぶら下がっている、ランタンをボーっと眺める。

サルト『・・・』

サルト『・・・・』

サルト『・・・・・あっ』

何かを思い出したサルト。

サルト『ここは2番目に、落ち着く場所になっちゃったんだ。1番は、メーテルの木だ。』

サルトは起き上がり、天井裏から降りて
ゆっくり部屋の扉を開けた。

そーっと廊下を見渡す。

サルト『よしっ、お手伝いさんもアンもいない。』

部屋の向かいの窓を開けて庭に出るサルト。

サルト『しししっ、ここの秘密の道を通ると、誰にも見つからずに裏門を、出れるんだよ。サルト探検隊は、凄いんだ。』

慣れた秘密の道を歩いて行く少し歩くと、裏門が見えてきた。門番が2人立っている。

サルト『今日もお仕事、ご苦労様です。』

門番2人を見て、サルトは小声で言った。

全く気付かれずに、裏門をでた。

サルト『ふぅー
四つん這いだったから手も足も汚れちゃった。』

裏門を出て、しばらく歩くと田園風景が、広がっている。

風車や、農家、厩〔うまや〕などもあり人の姿も見える。

サルト『いい天気だなぁ。
よしっ、早くメーテルの木に会いに行こう。』

サルトは元気いっぱいに畦道〔あぜみち〕を走り出した。

つづく

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