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【#45】Web広告って魔法じゃないよ

Web広告が登場してもう20年近くになる。Web広告は少額からでも配信できるので、企業の規模問わずに利用ができる。昔の広告は、いわゆるマスメディアに対して、巨額なスポンサー料を払える資本力のある企業のみが使える特権のようなものだった。


またターゲティングの精度が向上したことにより、従来の広告より効率良く集客ができるようになった。効果測定ができることもWeb広告の大きな魅力の1つだろう。Web広告はとても便利なツールだが、一方でWeb広告を「魔法の杖」のように勘違いしている企業も少なからず存在している。

今日はそんなお話を。

Web広告で「すぐに」成果が出ると思うな

1番多い勘違いが「Web広告はすぐに成果が出る」だ。確かにWeb広告には即効性がある。出稿すればすぐにユーザーへ広告を届けることができる。しかしそれはあくまでもすぐに広告を出せるという意味であって、「すぐに成果が出る」というわけではない。

Web広告を出したことがない事業者ほど、Web広告に過度な期待を持つ傾向がある。もちろんすぐに成果が出る場合もあるが、それはあくまでも運がよかったことがほとんどだ。特に最近のWeb広告は、媒体側に適切なデータを与えて学習されていくことで、徐々に成果が出せるようになる。

成果が出るまでの期間は、業界や商材特性、事業者側との意思疎通によって大きく変わる。Web広告を初めて出稿するなら、大前提として抑えておきたいポイントだ。

Web広告は「お金をかければ」うまくいくと思うな

Web広告である程度成果が出るようになると、「予算を増額してもっと集客したい」と考えるようになる。もちろんその判断自体は正しくて、利益を上げられるチャンスへ投資するのは普通の考え方だ。しかしここにもWeb広告の落とし穴がある。

Web広告は基本的に予算を増やすほど、1顧客を獲得するのに必要な広告費は増える。獲得数を増やしていくなら「効率良く獲得できていた層(自社サービスに興味がある人)」以外の人にもアプローチしていく必要があるからだ。
そうしないと市場の規模が顧客の上限数となり、そこで頭打ちになってしまう。競合との顧客の取り合いも発生する。だからこそ市場の外にいる人にアプローチしないと顧客数は増やせないわけだが、市場の外の人は基本的にサービスに興味がない。

サービスに興味があれば市場の「中」にいるわけで、その人たちを振り向かせて、自社サービスを使ってもらうのがいかに大変なのかは、誰でも分かる。

落ち着いて考えれば、この理屈は全然難しくない。しかし「広告は魔法の杖だ!」と興奮している人には、この話は伝わらない。だから広告費が増えていく中で獲得数が減ると、「運用方法が悪い」といって全責任を広告代理店に押し付けてくる。

もちろん広告代理店側が悪いケースもあるだろうが、事業者側にも責任があるケースも存在する。

広告費は本来「自社の利益から逆算」して、ベストな範囲で調整するのが良い。それ以上に増やしていこうと考えるなら、広告効果が下がることも考えながら、広告代理店と連携を取って効果検証をしていくしかない。

【まとめ】Web広告は「万能」だと思うな

Web広告を初めて利用する事業者は、Web広告を「万能」だと錯覚しがちだ。しかし実際は、小さなバナーの検証だったり、キャッチコピーの検証だったりと「泥臭い改善」の積み重ねだ。そこには事業者側の協力も少なからず必要になってくる。

また国内外の流行によって、昨年効果が良かった施策が今年は悪くなるケースも多々ある。

  • 広告出せばすぐに成果が出る

  • お金をかければうまくいく

  • 代理店に任せておけばうまくいく

といった幻想は今すぐ捨てて、Web広告と向き合うのが、成果を出すために必要なのかもしれない。


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