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私がバカだからです。

まだギリギリ「コンプライアンス」という概念が存在しなかった新卒時代。
キラーマシーンと呼ばれる上司の下についたことがある。
3年間で6人を病院送りにした本物の殺人者。

他社から転職してきたばかりのおっちゃんがキラーマシーンの下についたときは、昼ごはんが食べられなくなり、代わりに胃薬を飲んでいた(2か月後泣きながら退職)。

また、他のおっちゃんは円形脱毛症になり、3ヶ月後に失踪した。

キラーマシーンはもちろん斧やナイフで人を殺していたわけではなく、論理的に言葉で追いつめて人を殺していた(もしかしたら一人くらい斧で殺していたかもしれない)

例えばこんな感じ。

にぼコン「・・・(話すと殺されるから黙っていたけど、確実に遅延してる・・・)」
キラーマシーン「で、タスクは終わりそうなの・・・?」
にぼコン「ヒッ…!?いや、ちょっと難しくなってきましたね(ビクビク)」
キラーマシーン「難しくなってきた?終わるの?終わらないの?」

スーパー悪手発生
YES/NOで答えるべき質問に対し曖昧な回答。
ビビってこれをやってしまうと相手はいとも簡単にキレてしまうのだ…

にぼコン「終わりそうにないですね・・・」
キラーマシーン「なんで?」
にぼコン「テスト結果に不備があったので再テストしてました・・・」
キラーマシーン「なんで?」
にぼコン「コンディションに例外処理が足りていないことに気づいたので」
キラーマシーン「なんでそのタイミングで気付いたの?」

ハアハア…まずい、この流れ…

口内が渇き、ワキから生命の危機が迫ったとき特有の臭いがしはじめる(ちょうどスカンクが捕食者に出会ったときのように、私もピンチの際は臭くなる)

にぼコン「いや、すみません。」
殺人鬼「いや、謝るタイミングじゃないから。なんで?」

やばい、スーパー悪手発生その②
理由を聞かれているのに謝ってはならないッ…!!
これも火に油を注ぐ行為ナリ…。

にぼコン「いや、テストしてたら気付いたので…」
殺人鬼「へえ。で、なんで気付いたタイミングで報告しなかったの?なんで?」

このタイミングから挽回する方法を考えてみた。

チ、チ、チ、チーン…。
脳内コンピュータ演算終了。

無理。私はすでに負けていた。

鬼「なんで?」

だってあんたが怖いんだもん…。

にぼコン「いや…私がバカだからです…」
鬼「なんで?」
にぼコン「(…え?)」

なぜなぜ分析って最後は自分がバカって結論にしかならないよね。

殺人鬼「で、どうするの?」

自分、帰っていいすか?
見たいアニメあるんで…

にぼコン「2人日分の作業なので、今日夜と明日夜をギリギリまで詰めてやれば間に合うと思います…」

よくよく考えたら4人日分は作業があるため間に合わない。

殺人鬼「で、まさかその分お客さんに請求するわけじゃないよね?」
にぼコン「はい、バリューが出てないので、はい、自主的に?やらせて頂きます…」

殺人鬼「死ぬ気でやろっか。どうせ死なないんだからさ!!(ドンッ!!!!)」
にぼコン「・・・。」

2日後。
当然間に合わず殺された。

(おしまい)

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