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仁吾巴 妍 niaha ken
2024年6月27日 18:00
降りは少し弱まったが、翌日も一日じゅう、雪だった。みなよく眠れるらしく、避難者のだれひとり、これといったストレス症状をみせるものはいなかった。各班それぞれ所定の仕事を問題なく遂行し、充実した一日を送っている。消灯まぎわに女監督が、その夜の語り手として、脚を骨折した若い商社マンを指名した。青年は、いくぶん予期していたらしく、ボクのハナシ、つまんないっすよ、と半身を起こして壁板にもたれかかると、