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[コラムに及ばない思考記文-07]感性の育て方

真夜中にこんにちは。

新月と日蝕と夏至が重なるなんともカオスな日。天体のこういった現象により、体に不具合が起こることってありませんか?恵比寿に生息するフリーランス美容師のナカセコミユキです。

千鳥足気味&夢うつつ状態の脳でまじめなお話しをお届けします。するつもりです。

どんなことでも続けていくのは難しく覚悟が必要

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美容師とひと言に言っても、どんな美容師になりたいのかといったビジョンひとつで向かう方向は人それそれです。

 ・人気者になりたい
 ・有名人を担当したい
 ・この人じゃなきゃと言われる技術を持ちたい

どんな動機でどんな目標を掲げてもそれは正解です。

 ・人気のある美容師に切ってほしい
 ・有名人と同じ美容師に切ってほしい
 ・この美容師じゃなきゃ任せられない

それぞれに需要はきちんとあるはずなんです。

私が目指すのは、技術力は大前提であたりまえにハイクオリティなものを提供しつつ、プラスαの部分で癒える感覚を体感してもらいたい。もちろんその人だけのオリジナリティあるデザイン要素を加えることにも重きを置いてます。

つまり、ものすごく欲ばりだという自覚があります‥。

帰るときに「あぁ、自分が疲れてたんだなってことに気が付いた」「触ってもらうってこんなに心地良いものなんだって思った」と言ってもらえたらそれはもうこの上ないご褒美です。
街ですれ違う人を見て、自分のヘアスタイルは他の人とはひと味違ってると都度つど感じてくれることも、カットして2ヶ月経つ頃に、髪型いいねって褒められたという報告もご褒美。

自分自身が欲しがりなのかもしれないですね。

人に触れる仕事

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美容師だけでなく、人に触れる仕事というのは、その人が持つ負のエネルギーを吸い取りやすいと言われています。だからこそお客様の体や気持ちが軽くなるんです。

ただ、最初のうちはそれを受けとめきれずに気疲れしてしまったり、自分のコントロールが足りていなかったりでボロボロクタクタになる例も少なくない。

自分の経験では、40人以上はいたはずの同期が3年も経てば8人くらいになっていた。多分それだけ“違かった”という事。
もちろん、美容師自体は辞めずに、もっと自分に合う美容室を探して移った人もいます。いったん辞めて戻ってきたスタッフもいました。

もしも続けられないかもと思ったら3回待つの法則です。3回目に辞めたいと思ったら、すでに相当我慢しているからです。
専門職に長く就きすぎると、美容師以外できない人になってしまう。続けられないと思ったら、早く辞めて他の仕事を試してみる事も、これからの長い人生のなかでとても大切な選択なのです。

就職セミナーで在校生に放ったシビアな言葉

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就職してしばらくすると、母校の就職セミナーで、大手サロンに就職した卒業生枠で体験談を話してほしいとの依頼が舞い込んできました。
その時に伝えた言葉は、好きじゃないと続かないということと頑張っているつもりでも相手に伝わるレベルまで頑張らなければ頑張ってないのと一緒という事。
これからの未来を夢見てキラキラしたまなざしの美容学生に向かって、当時19歳の私はなんとシビアな言葉を言い放ったのでしょう。

そこには、憧れだけで就職先を決めないでほしい、続けられるところに就職してほしいという思いがありました。

美容師も、ある面では偶像的な存在だと言えます。
おしゃれというイメージがあるから、おしゃれでいないと説得力がないと思うし、コミュニケーション力が高いと期待されているから必要な引き出しは学んで準備するし。器用だと思われているけど、不器用な人のほうが多いから、みんなものすごく練習して不器用に見えないところまでレベルを上げてフロアで求められたパフォーマンスをするのです。

不器用は悪いことではなくて、不器用だからこそ、お客さまにどうしたら上手くできるのかを、わかりやすく教えてあげられる人になれるんです。

天は二物も三物も与える

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『器用で感性が未熟な人』か『感性が天才的で不器用な人』のどちらかというのではなく、ハイブリッドタイプが必ずどのコミュニティにも1人はいるものです。

しかし、そこに妬む気持ちを発生させない事が技術職にはとても大切。追いかける精神力が大切。同期で落とし合うのが目的ではないから、できる人にはどんどんやり方を教えてもらう素直さが大切。
営業中に上手くいかなかったことは、指摘しあい、みんなできちんと反省して改善していく。美容業界は意外と体育会系でもあって、同期のみんなでもう1ランク上へ!と高め合うアツさを常に共有する恵まれた現場でした(徹夜ミーティングでの始発帰りは時代が許したことかもしれないけれど‥)

感性の育て方

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たとえ技術が追いついても、感性が伴っていなければ売り物にはなりません。美容師に必要不可欠な感性を育てるには、それなりの時間がかかるし、備えるためには脳の感じ方そのものを矯正する必要があるといっても過言ではありません。

自分がかわいい!おしゃれ!美しい!と思ったものを無数に切り出し、スクラップブックに貼りつける。先輩アシスタントやスタイリストに小まめにチェックしてもらい、ダメ出しを受けたものは外し、認められたものだけを残す。
これを繰り返すと、自ずと誰もが見てかわいい!おしゃれ!美しい!といったものしか残らない。

さらにそこから、それらをいちばんひきたたせるレイアウトを学ぶ。見せ方や注目してもらいたいもののアピール方法を学ぶ。

何年も費やして得た独自の感覚は「どうやって手に入れたの?」と聞かれても答えられないような複雑なもの。
企業秘密にしたいわけでもなんでもない。こればっかりは当時のスタッフに囲まれて、何年もの時間をかけて育ててもらい、作り上げた自分だけの見極めという特別な感覚。

私のスタイルのこだわりは後ろ斜め45°から見る美しいバランス。そして、計算しつくして手の込んだナチュラルなスタイルを作りだす事。

これが、私が今まで続けてきた仕事とこれからも続けていきたい仕事です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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