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[コラムに及ばない思考記文-01]ヘアスタイルは真剣勝負のオートクチュール

※2022/9/6更新[この記事は約4分で読めます。]

はじめまして。
恵比寿のシェアサロン[OrB(オーヴ)]所属のフリーランスヘアデザイナー、ナカセコミユキです。

これまでアメブロもFBも続かなかった私が、このコロナ禍をきっかけにnoteをはじめてみようと思ってます!
途中でものすごーく更新されない期間とかつくっちゃいそうですが、ライターも兼業しているので、文章を書くのに慣れたいなと思い、とりあえず書きはじめてみました。


まずは自己紹介!

簡単に自己紹介!

美容師歴26年、そのうち約半分の期間をフリーランスとして活動

私がフリーランスとして活動しだした頃は、今のように働き方の多様化なんて全く誰の念頭にもない時代だったので「美容師さんって“フツーは“お店にずっといて夜遅くまで練習して帰ってくるんじゃないの???」と聞かれるたびに、フツーって誰が定義したんだろう???とひねくれた事を思いながら、あちこちで状況を説明しなくてはならなかった‥まだ“面貸し”といった方が理解してもらえた時代ですね。
変わってると言われるたびに、アメリカではメジャーな働き方ですとお伝えすることで、お客さまには少しでも安心感を抱いてもらわなければ!と思っていたのを覚えています。
美容室で施術を受けてその責がスタイリスト個人にあるなんて、きっとお客さまはこわいですものね、当時はまだ‥もちろん、必要な保険はお店で入っているところがほとんどなんですが。

ここ十数年、オーバーストア状態が続いている美容室

コンビニ1軒に対して美容室の数は3軒と言われる時代!

今ではすっかり日本でもフリーランス美容師の存在がメジャーになってきて、スタイリストだけでなく、アシスタントでもフリーランスという働き方が選べるようになっています。美容師の働き方が多様化してきているのは、人手不足とオーバーストアが関係していると推測できます。

むかーしむかしのお話になってしまいますが、美容師の一般的なキャリアといえば、大手サロンを卒業して独立するのが一般的でした。しかし現在、美容室の数はコンビニ1軒に対して3軒と言われるほどにまで膨らんでいます。
このような状況の中で、独立して自身でサロンを開業するのは決して簡単なことではありません。新たな選択肢としてシェアサロンが増えたのも、個人的には必然的な流れだったと感じています。

ただ、景気の落ち込みやサロンの数が増えたことにより、技術職であり、誰ひとりとして同じ仕事をしない美容師による手仕事の価値が下がってしまったのは、本当に嘆くべきことです。

プレタポルテとオートクチュールの考え方はヘアスタイルにも通じる

美容室に何を求めるのかは人によってさまざま

個人的に『プレタポルテとオートクチュールの考え方はヘアスタイルにも通じる』という考えていて、カットにおけるパーソナルデザインを考える際での大前提となっているのです。

私には、フリーランスという働き方を早々に選んだ明確な理由があります。大手有名サロンに所属していた頃、スタイリストデビューするまでは、可能な限り多くのモデルさんを呼んでコツコツとスタイルをつくり、スキルを高めることで頭はいっぱいいっぱいな状態でした。
しかし、いざスタイリストデビューをしてたくさんのお客さまにいらしていただけるようになると、生産性を重視した仕事の仕方にシフトしなければならなくなったのです。自分を指名してサロンに来てくれたお客さんと接する時間があまりにも短いことに違和感を覚え、お店のやり方と私のしたいことの折り合いがつかなくなってしまったのです。

スタイルを時間で“生産”する事よりも、個々に必要な分だけの時間と手数を費やしてスタイルを“創る”こと、よりクオリティの高い技術を提供することが諦めきれませんでした。中でも、私がもっとも大切にしたいカウンセリングの時間がとれなかったことに、心苦しさを感じずにはいられませんでした。
私たち美容師からすれば、美容室での時間が日常であったとしても、お客様にとっては月に1回~数ヵ月に1回の特別な時間です。楽しみに予約を取って来てくれて、あれもこれも相談しようと思ってくれているお客様の気持ちをしっかり受け取って反映させたい‥。

このような理由から、アトリエで作品づくりに取り組むアーティストのような仕事がしたいと考え、フリーランスの道を選択したのです。

再現性を重視したカットには相応の手数が必要

パーソナルデザインを提供できてこそ私が美容師であり続ける理由がある

お客さまは美容室にさまざまな目的を持ってきてくださいます。
「長くなったから短くしたい」「イメージを変えたい」「気になるダメージをどうにかしてほしい」このような目的をシンプルに解決してあげるだけでも、美容師の仕事は務まるかもしれません。
でも、美容師にはプロフェッショナルであるからこそもっとその先が見える提案を求められているのだと思っています。たとえば、お客さま自身が毎日お手入れに困らないための提案だったり、来シーズンのスタイルの方向づけだったり、してあげられる事はたくさんあるはず。

毎日お手入れをするのはお客さま自身です。もちろん、スタイリングが上手くいかない日や、十分に時間をかけられない日もあって当然です。思うように手が欠けられない日でも、再現性を発揮するカットこそ、私がお客さまに提供したいカット技術なんです。
どこに毛先が動いてもシルエットの崩れないカットを構築するには、それなりの手数が必要です。カットした直後だけが、ヘアスタイルが最も素敵に輝く瞬間ではありません。伸びていく過程でも不思議とカタチになってしまうようなカットをお客さまに楽しんでいただきたいと願い、サロンワークに取り組んでいます。

まとめ

数々の思考をnoteに書く事で、改めて得られる学びもたくさんありそうです。不定期更新にはなりますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。最後までお読みくださりありがとうございました。

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