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イクメンなんて言葉は本当はいらない?

日本生まれ、日本育ちの私は
いわゆるThe 昭和な両親の関係を見て育ってきた。

父が帰って来る頃には母が当たり前のように家族分の夕飯の支度をして待ち、学校のことは全て母がこなし、
母がお友達と食事に行ったりする時には
家族分の食事を全て作っていてくれたように思う。

とにかく、「家族の為に」母はいつも動いてくれていた。
でも、それはうちだけではなく、
お友達のお家ほとんどがそうだったと記憶している。

それが、昨今の共働きの増加や、イクメンという言葉の浸透で、
家事や育児に参加をする男性が日本でも増えてきたというニュースをよく目にする。

私も日本を離れる前までは、日本で復職をする予定でいたので、
産休中の駐在が決まっていなければ、夫と子供の送り迎えの分担等で
夫婦会議を重ねていたと思う。

少し話はそれてしまったが、そんな環境で生きてきた私だったから
アメリカに来て、お父さんの育児家事参加率の高さに愕然としたのである。
家族に費やす時間の多さが日本のイクメンと言われるお父さんの比ではないのだ。

朝子供達の学校に送っていくと、コーヒーを片手にのんびり子供達とお話をしながら歩いている来ているお父さんの多いこと、
午後お迎えに行っても、カジュアルな恰好でお迎えに来ているお父さんの多いこと、
子供達の病院に行けば、お父さんが連れてきていることもしょっちゅうだし、公園に行けば平日であっても子供達と遊ぶお父さんが嘘のように沢山いるのだ。

習い事だって、例えば子供達が小さい頃の野球やソフトボールのコーチは
全て親のボランティアなのだが、平日の5時位~の練習に何人ものお父さんが参加している光景だって全く珍しくない。

我が家の子供達がお友達のお家へ遊びに行くと
かなりの確率で〇〇のパパの作ってくれるパスタは美味しいんだよ、とか
朝作ってくれるクレープは美味しいんだよ、とか嬉しそうに教えてくれる。

家事育児はお母さんがするもの、と思っていた私には
アメリカのお父さんの様子がまるで別世界のことのように感じた。
そして、こんな日々を過ごしていて、ふと思ったのだ。

アメリカにおいて、多分「イクメン」というような言葉は存在しなくて
子育てだって、家事だって、自分も親の1人なんだからすることは
当たり前だよね、という感覚のお父さんが物凄く多いんじゃないかということに。

お父さんとお母さんの育児や家事に対する比率が完全に50:50なのだ。
(物理的にも精神的にも)

私が電話番号を交換している子供達のお父さんの数も物凄く多いのだが、
これって日本ではどういう風にうつるのだろうか?

日本では「育児をすることがお母さんの役割」という大前提があるので、
そこに参加してくれる男性を「イクメン」と称える傾向があるのだと思うが、この言葉のお陰で、日本の男性は常に「やってあげている」という感覚が抜けない状態になっている人が多いのではないかな、と思う。私個人としては、アメリカの「だって、子供達は2人で育てていくものでしょ?どっちも親なんだから。お母さんだって旅行に行っていいし、dinnerにだって行っていい」というこの感覚がすごくヘルシーに、そして自然にうつるのだ。

実は、今回アメリカに住むお友達と一緒にとあるアイドルの
コンサートに出かけた私。(写真を見たらお分かり頂けるかと思うが)
それを日本の母に伝えたら「パパや子供達は大丈夫なの?」と凄く心配され、「行かせてくれて優しいわね」と。
でもそれをアメリカ人のお友達に話すと「How exciting! 家のことなんて忘れて思い切り楽しんできて」と返してくれるのだ。

ママがたまに自分の時間を持つことで
家族が自分のことのように嬉しそうにしてくれることを今回知った私は
「そっか、ママだってママである前に1人の人間だもの。
自分のことを労わって、喜ばせてあげないとなんだな、そして
その姿を家族に見せることがそのまま家族の喜びにも繋がるんだな」と実感した。

イクメン、なんていう言葉は実は必要なくて、
子供が生まれた時点で完全に夫婦はチームになるわけで、
できる時に出来る方ができることをすればいい、
そういう感覚でいられる環境作りが必要なんじゃないかな、と思った。

私たちが子供の頃に比べたら
日本のお父さんの育児参加率は俄然上がっているわけで、
ぜひぜひこのままアメリカのように「パパが関わっていることが」
当たり前になる日々が訪れて欲しいな、と心から思うのである。






#思い込みが変わったこと

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