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フォネティックコード③ -検証編-

こんにちは。

さて、去年夏に新しくなったドイツ語のフォネティックコードの話も3回目ですが、これで最後です。

目指したのは


言葉のジェンダーニュートラル化を推し進めるべく、ドイツ語の人称代名詞の扱いや呼び掛けの形がここ数年、顕著に変化していることは以前も3回シリーズで述べた通りですが、この動きは今回のテーマであるフォネティックコードにも及んでいます。
事の発端は、DやNなどのスペルコードであったユダヤ系の名前、DavidやNathanがナチス時代に他の単語に置き換えられたことへの反省に伴い、これらのファーストネームをコードとして再起用するという動きからでした。

その際、
32あるドイツ語のアルファベットコードのうち、ファーストネームを採用しているコードが23あり、そのうち男性の名前は16、対して女性の名前は6というのは、改めて考えてみると問題だ。。

と思われたのかどうかは定かではありませんが(笑)、いずれにしろユダヤ系の名前の復活に端を発し、そもそもスペルコードになっている男女の名前の比率が不平等なので、いっそ全とっかえしてコードは都市名にしてジェンダーニュートラル化してしまおうと、スペルコードは全て名前から都市名に置き換わって新たに提唱されたわけです。

さて、この新くなったフォネティックコード、全きなるジェンダーニュートラルで平等な世界を、少なくともスペルコードにおいて実現できたのでしょうか。

東西の平等

そこで、それぞれのコードになっている都市が、旧西ドイツ、旧東ドイツ地域のものかを物差しに勝手に検証してみました。

平等を目指すのなら、東西バランスにも細心の注意を払ったはずだ(と思う)からです。「旧東ドイツの都市が少ない。」なんて批判が上がろうものなら、ジェンダーどころかもはや社会問題(笑)。

さて、32あるドイツ語のアルファベットコードのうち、都市名のコードが27あり、そのうち旧西ドイツの都市が18、また旧東ドイツ(ベルリンを含まない)の都市が9、採用されています。
比率は2:1。でも旧東ドイツの全国土に占める面積割合は約30%。

旧東独に忖度( ̄∇ ̄)?

いずれにしても、東西バランスには心を砕いた(?)様子が伺えます(笑)。

Mの平等

さらに巷の反応は。
街行く人々に新いフォネクティックコードへの反応を聞いたインタビューにて。

「マンハイムが入ってないじゃない」

Mのコードにも成り得る(た)マンハイム(Mannheim)は、今回の新しいフォネティックコードの提唱機関であるライプニッツドイツ語研究所の置かれている街です。しかしMのスペルコードはミュンヘン(München)。
やはりマンハイムよりは一般に認知度の高いミュンヘンが妥当ということでしょうか。
かと言って、これをマンハイムにしていたら、それはそれでなぜミュンヘンじゃないのか、身贔屓ではないかとの批判に晒されたかもしれず^ ^。

なかなか難しいものです。

通話通訳から今回のコード改正の話まで、長々とお付き合い頂きありがとうございました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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