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東京国際映画祭 ムーンライト・シャドウの感想

ムーンライト・シャドウ私自身三回目で今回は東京国際映画祭ということですごくどきどきしながら観ました。主人公のさつきと恋人の等、等の弟とその彼女。それぞれのキャラクターが個性的で関係性がとても素敵でした。四人で話すシーンやご飯を食べるシーン。そして、さつきと等が過ごした部屋。

小松菜奈ちゃんはずっと孤独との闘いで12月の撮影の中一番先に撮ったのが走るシーン。肺まで凍るような冷たい空気の中ほんとに一人の感じ(ニュアンス的に)言っていたことを思い出して、昨日改めて話を聞くと全部等が居なくなる前の主人公を想像しながら目や表情、言葉で丁寧に演じていたと聞き、さつきの表情や言葉から思いが痛いほど伝わってきてそれを演じていた菜奈ちゃんは本当にすごいなあと実感しました。

突然大切な人を失い、その悲しみを紛らわせるかのように走るさつきを見てるのが苦しかった。走るの楽になった?って聞かれた時の楽にならなくていいよって言葉もそうだね楽になりたくないよねって思ってしまう。
走っても走っても楽になんてならなくて一人になると思い出すことが多くてどれだけ二人の時間が愛しいものだったのか伝わってきました。

「鈴の音が耳を離れないんです。鈴が全てのはじまりで、だからあの音には等と過ごした私たちの時間が全部詰まってる」

「ただ、もうその音は私の頭の中にしかなくて」

さつきがぽつりぽつりと恋人とのことを話すシーンから内から込み上げてくる思いが涙や鼻水になって声となってあのシーンまでの楽しく微笑み合ったりくっついたり話したり抱きついたり。そういう思い出がさつきの中でどんどん溢れて出てきたんだなと思いながら見てました。そこからの月影現象。ファンタジー要素もありながら繊細でどこまでも美しいシーン。最後のシーンは表情と空気感で十分伝わるものがありました。

そして何度も言うように映像や景色の撮り方が綺麗でした。ピントの合わせ方、周りのぼやかし方や光の当て方、光やピントが合ったときと小松菜奈ちゃんの美しさは言葉を失うほどでした。音楽が入ることでエンディングに向かうに連れて不思議な世界に引き込まれるようなそんな映画でした。

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