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移動時間の読書が好き

『死にたいけどトッポッキは食べたい』を読んだ。

カウンセリングに通う作者と精神科医の先生の会話で進んでいくこの本。

私も似たような気持ちだからなのか、人間誰しもこんな風に思うことがあるからなのか、会話の内容が無理なくスッと心に入ってくる。

全部が全部共感するわけじゃないけど "あーなんか分かるな" という穏やかな共感をじわじわと感じる。

読んでみようと思ったのは、タイトルが気になったからだ。

"死にたい"ってほどじゃなくても、落ち込んで、あーもう何もしたくないな、と思うような時だってお腹は空くしトッポキ食べたいじゃん。

以前、あることが辛くて、ここで人生が終わってもそこそこ幸せかも、とか思ったことがある。そんな時でも "どうせなら好きな場所に行った帰りに事故に遭うとか…" みたいなことを考えたりしてたので、人って案外図太くできてるのかも、なんて思ったりもする。

だから、このタイトルが気に入ったのだ。

私はこの本を新幹線の移動中に読んだのだけど、読みながらちょっと考えたり、自分に置き替えたり、昔を振り返ったりしたくなったので、移動時間に読む本としてはぴったりだと思った。

流れる景色を見ながらボーッとするか、本を読むかしかない時間なので、考えながら読むのに移動時間はちょうどいいし、目的地に着けば強制的にその時間は終わる。

考え事と読書をとことん楽しめる環境で、この本に出会ってよかった。

なんかモヤモヤするなって時に、ふとページをめくりたくなるような、心の近くにいてほしいエッセイだった。

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