見出し画像

映画『僕と彼女のファースト・ハグ』の話

たくさん笑えて、ちょっと泣けて、最後はほっこりできるハッピーコメディ映画。

潔癖症でハグができないバオ・バオと、辛い過去と決別しようと頑張るちょっとガサツなウェン・ヌワンがお互いを受け入れ助け合い、夢への道を駆け上がる。

偶然出会った2人がオリジナル曲バトルに出場することになり、バオ・バオはウェン・ヌワンの部屋を訪れる。

散らかり放題のウェン・ヌワンの部屋に我慢できず掃除をするばかりでなく、インテリアや水槽の魚まで色分け、種類訳するし、口紅もまっすぐになるように切りそろえてしまうバオ・バオ。

そんなバオ・バオの行動に怒るウェン・ヌワンだが、2人1組でなければバトルへの出場を認めないと言われてしまい、出場を目指しバオ・バオの潔癖症の治療を始める。

どんな時でも時間どおり、余裕があっても時間になるまで待ってしまうようなバオ・バオに、毎回自分の部屋を掃除されて怒るウェン・ヌワンだが、インテリアで置いていた赤と白の置物をちゃんとハグした状態にしておいてくれたことに気づき、バオ・バオの変化を感じる。

何度言っても掃除をやめてくれないバオ・バオだけど、ウェン・ヌワンの思いに本当に少しずつだけど歩み寄ってくれていたのだ。

誰かの行動にもどかしさを感じて、変わってほしいと願っても、自分が思うスピードで変化するとは限らない。

人にはそれぞれのテンポがあって、他人から見たら気づかないような速度かもしれないけど、それでも変わりたいと願えば人は変わることができる。

そんな変化に気づいたウェン・ヌワンも、色分けされた水槽の魚をそのままにしていたり、ビール瓶のラベルをまっすぐにそろえたり、バオ・バオに歩み寄っていく。

誰かを理解できないと思う時は、相手も自分に対して理解できないと感じているものだと思う。だけど、自分に分からないことがあるからといってそれが間違いだとは限らない。全部を受け入れられなくても、できるところから手を伸ばせば、相手もその手を掴んでくれるかもしれない。

愛してほしいと望み続けていたバオ・バオが相手を愛することができたから、ウェン・ヌワンもバオ・バオを愛してくれたのだ。

誰かに何かを望むなら、まずは自分が1歩踏み出すこと。そうすれば、きっと明日は今日より少し楽しいはず。

そんな気持ちになる映画だった。

この記事が参加している募集

#映画感想文

67,103件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?