「思い込み」トリガーの危険性

新型コロナウイルスで、各所で色々な事が起きているが、特に気になったところをピックアップしてみた。

■感染者情報をシェアする必要ってある?
Facebookの市のコミュニティページに毎日必ず、ほぼ同じ人が「市の感染者情報」をコピペして投稿する人がいる。毎日ご苦労な話ではあるなと思うが、これはいったい何のためにやっているかと思う。聞く機会はないが、予想する回答として「みんなに知ってほしいと思って」と言うだろう。しかし、仮に知ったところで、新型コロナウイルス対応で何か行動に移るか?と考えると、特段と今やっている事に変わりはない。というのも感染者がわかったところで、今や感染源なんて特定できないし、その人が住んでいるところなど公表される訳でもない。まして感染源がわかったとしても、潜伏期間を考えれば全く意味がない。単に「ふーん」と言うくらいか。なので、どうしても賑やかしにしか思えないのだが、シェアしている方は、何を目的としているのだろうか。

■ネットに「自粛警察」投稿相次ぐ
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20200505/1000048433.html

その昔「車内(電車)では携帯電話のスイッチをオフにしましょう」という時代に、携帯をいじって見つけようなら、社内に怒鳴りちらすおっさんがいたが、まああれと同じ。誰に頼まれてなっている訳でもないが、自分の言っている事は正義であり、その目的達成のためであれば、何やってもよいという論法が成り立つ人たちのようだ。分解するとこんな感じ。

(1)言っている事は正しい(かもしれない)
(2)やっている事は間違い

の2つが同居している。しかも(2)は、大間違いしているケースがほとんどだ。記事にある「自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます」という字面だけを見ても、大間違いをしている。警察に来てもらって何をするつもりだろうか。警察権の行使を望んでいるとすれば、日本国憲法を勉強する必要があると思う。

本来的には自粛とは「自ら進んで実施しない」ことであり、この記事にある張り紙は「自粛してください」というような恐喝的なのもっての他である。ようは、自粛警察の皆さまは、自分のやっている事に、法的根拠とか憲法だとかは全く関係なく独善のみが支配している。さらに、主に(2)を指摘すれば、反対弁論で(1)を持ち出して、間違っていないと主張する。もともと、あなたの行動はおかしいといっても決して耳を貸さない。いわば振り上げた拳は中々、下ろせないという事だ。

■他県ナンバー狩り
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200505-00010024-encount-ent

「北斗の件」の世界であり、日本の話ではあるとはにわかに信じがたい。これも自粛警察のバージョンアップ版であるが、

(1)言っているは大間違い
(2)やっている事は大間違い

と2点タイムリーな感じ。言っているだけならまだしも(2)は暴徒であり、明らかに犯罪である。他県ナンバーの車なんて個人の事情でいくらでも違うのもあるだろうし、単に他県ナンバーだからという理由だけで、排除を目的とするのであれば、超排他な村社会思想としかな。いくら巣ごもりの厳しい時期でストレスや不安があるかといっても、全く理由にならない愚かな話だ。

これらの話は、他に類似した話があるとは思うものの、共通して言えるのは「思い込み」というキーワードではないか。思い込みが強すぎるとコントロールが効かなくなり、一線を超えるような行動に出てしまうのではないかと類推する。物事は一時の「思い込み」と「感情」だけで判断すると、かなりの確率で誤った結果を生む。従って、立ち止まって改めて考えたり、他人に意見を求める事はとても大事である。これらを反面教師として、学び、自戒を込めて、ここに記すこととする。

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