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司法書士のおしごと!【#2 不動産登記】

不動産登記とは?

相続と認知症から大切な家族と財産を守り、円満な資産の承継を支える司法書士の野田啓紀です。

司法書士のおしごと第2回は、不動産登記についてお話します。
これは、司法書士の最も中心的なしごとです。

不動産の名義は、早いもの勝ち…

「登記」ということばは、登録とほとんど同じ意味です。国に登録するもののうち、法務省の管轄にあるものは、登記と表現するものが多いようです。不動産登記とは、不動産の名義などの情報を国の帳簿に登録する手続のことをいいます。
不動産を買ったり、譲ってもらったりしたときは、登記の手続をしなければ、「自分のものになった」ということを他人に主張することができません。

不動産を取得したり、住所が変わったりしても、自動的に名義変更はされません。法務局へ行って、登記申請をすることで、情報が書き換えられますが、この登記申請を代理することが認められた資格者が司法書士なのです。

めったにないことですが、ひとつの不動産が二重に売買されたとします。このとき、この不動産は誰のものでしょうか。

先にお金を払った人ではありません。
先に、法務局で登記をした人のものになります。

このような意味で、不動産の名義は早いもの勝ちとなります。

登記簿には何が記録されているの?

登記簿は、法務局に行けば、誰でも手に入れることができます。

不動産の登記簿には、どこにどのような大きさ、種類の土地や建物があって、誰から誰へどのような原因で手渡っていったのかという履歴が記録されています。
また、誰の担保がついているかということもわかります。

個人情報保護全盛の時代において、所有者の住所や氏名、借入金額まで記載された証明書が誰でも取得できるというところに驚かれる方も少なくありませんが、不動産という価値のあるものの取引を安全に進められるようにするため、所有者の情報を公開して、必要な情報を公示することの目的が大きいものです。

不動産登記の専門家としての責任

司法書士は、法務局に対して登記申請の代理ができる国家資格者です。

登記申請の代理をすることや、登記にかかわる書類作成ができるのは、司法書士のほかには、土地家屋調査士と弁護士のみです。これらの資格のない者が、書類作成の部分だけ代行して、本人に法務局へ提出させることをビジネスにしている人たちがいますが、これは違法行為です。

不動産の登記を申請するには、法令にしたがって適切な書類を作成し、添付書類をそろえて法務局へ提出します。ここには、細かな行政先例が積み上げられており、法令実務に精通した司法書士が代理人となって手続に関与することで、国の登記行政の円滑に寄与しているものです。

法務局に行って、自分で登記の申請をしようと試みる方の中には、とても冷たい役場であったとの印象をもたれる方もありますが、当然のことです。法務局は、書類を審査して、登記記録を書き換える役場です。審査する役割がある人が、どのように書類を作成すれば審査に通るかなどというアドバイスは、不公平となるためできるはずがありません。

また、司法書士は、最近では、単に書類を作成して、申請の代理をするといういわゆる代書屋のようなしごとばかりではなく、契約当事者の本人確認や契約意思確認など、不動産取引が安全かつ円滑になされるような重たい責任を果たすことを求められるようになってきています。

中でも、不動産売買の場面では、司法書士が進めてよいと認めなければお金は動きません。

代金決済をする場所で、司法書士が売主と買主の本人確認を行うほか、契約の内容を理解しているかを確認します。そして、名義を変えるための書類がそろっているかを判断したのち、代金の支払いを進めていただくように司法書士が声を発します。

買主としては、確実に名義が変えてもらえる保証があって、お金が支払えます。売主としては、確実にお金がもらえる保証があって、権利書などの重要書類を手渡すことができます。そのわずかな時間差に対して、司法書士という国家資格者の責任で、取引の安全を担保しています。

これからも紹介していきます

司法書士のおしごとについて、第2回は、不動産登記のことをお伝えしました。

なかなか想像しにくい仕事をしている専門家でありますから、職業として知られていないことも多くあります。モノをつくっているわけでもなく、体感できるサービスを提供しているわけでもありませんが、国民のみなさまの財産と権利をまもり、国の機能を円滑にして信頼を高めるという重要な役割を担っております。

次回からも、具体的なおしごとのことについてもお伝えしてまいります。ぜひ、お楽しみに。

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