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【読書ログ】頭の良さは、他人が決める

営業の仕事から離れ、社内コミュニケーション中心に。すると、だんだんとラフな話し方しかできなくなっている!これではいかん!と思い手にした本がこちら。

著者は、元外資系コンサルで、現在Webメディア:Books&Appsを運営する安達さん。ちなみに私はこのサイトと安達さんの文章が大好き。

これまでたくさんのコミュニケーション関連の本を読んできた。が、いろいろなTipsを紹介してくれる本が多く、「全部できないよ、、、」と感じることも。安達さんの本を読む前も、「高度なテクニックが書いてあるのかな」「私にできるかな」と怯えていた。

ただ、この本はコミュニケーション術の本ではない。「頭のいい人とは一体どういう人なのか」を丁寧に言語化し、「頭がいい」を目指す人間としてのあり方を示した本だと感じている。

とてもシンプルで読みやすいので、ぜひ。
特に私の心に残ったのは以下の5点。

① 私の頭の良さは、他人が決める
② 話す前に考える=感情に任せて反応するのではなく、冷静になること
③ 自分らしさや自分の考えがもてはやされる社会だからこそ、一旦相手の立場になって考える
④ 人が誰かを承認するのは「親切にされた時」
⑤ 考えて質問する=仮説を持って質問する

強烈なパンチラインとして心に刻まれたのが、① 頭の良さは、他人が決める

私は営業だった頃、「相手を不快にさせていないか」「できる人間と思われたい」という考えで頭がいっぱいだった。なので、相手が商談中笑っていなかったり、怪訝な顔をしていたりすると、「私何かミスった!?」と不安になっていた。

結局私にコントロールできるのは私の行動だけ。相手の感情や反応まではコントロールできない。

もしお客さんの反応が芳しくないのであれば、私がするべきは、お客さんの機嫌をおずおず伺うことではない。「自分がどう思われているか」「次に何しようか」という自分中心の考えを一旦脇に置いて、目の前の人に全集中することなはず。

その思考のプロセス・ふるまいの結果として、この人は頭がいいと「相手が判断してくれるかも」しれない。この本を読んだあと、少なからず肩の荷が降りた気がした。

また、奇しくも、最近読んだ辻村深月さんの小説『傲慢と善良』にもつながる話だなと。

「現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけれど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、みなさん傲慢です。その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、”自分がない”ということになってしまう。傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう、不思議な時代なのだと思います」

辻村深月『善良と傲慢』

読書が捗った6月。7月は何を読もうかな。

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