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ポジティブなやつ、だいたい嫌い(だった)


「考えすぎ」といか言ってくる人、だいたい嫌いだった。「考えすぎ」と言われるたび、

「うっさいねん」

「お前が考えへんから考えとるんじゃろが」

と思っていた。今もその癖が抜けないので、ウーーーンという感じだけれど、自分にその傾向があると理解できたただけでも進歩かなぁと思う。


なんでこんなこと書き始めたかというと、社長兼上司が、めっちゃ楽天的だからだ。営業目標もない、戦略もない。マーケティングもよくわかんないし、push型の提案もわからん。全て社長である自分はわかっているから、という態度にイライラしていた。それならしゃきっとロードマップ見せろよ。ちゃんと目的と期限を決めながら部下を導けよ。


自分がやっていることが正しいのか正しくないのか、それを判断する材料がなくてイライラしていた。


顧客への提案資料も、何も口出してこない。いいと思います、しか言わない。それが上司の姿なの?何なの?と思っていた。そんなんだから、顧客とのリレーションも切れるんだよ、と思っていた。(自分の力だけで受注したことはないくせに)


そんな時、手に取った2つの本。



『問い続ける力』は、「人がよりよく生きる(Well-being)とは何か」をテーマに研究をされている石川善樹さんの著作。世の中には、答えを求める「では派」と、問いを求め、より物事の深淵に迫っていく「とは派」がいる、そして自分は「とは派」になることを決めた、というエピソードから始まる。(peace of cakes代表の加藤さんとのやりとりが面白い。)様々な「問い」についてそのジャンルの達人と対話を重ねていく、という内容だ。


『幸せになる勇気』は、皆さんご存知であろう『嫌われる勇気』の続編かつ完結編だ。『幸せになる勇気』で知ったアドラー心理学を実生活に適応した時にぶつかるであろう青年は、なかなかうまくいかず、恨みを募らせて哲人の元を訪ねる。激昂して哲人を罵るばかりの青年だったが、対話を重ねるうちに、自身のアドラー心理学への誤解を認識し、さらに理解を深めていく。


二冊を読んで、特に印象的だったのが、下記。


「トップに立つ人は、どこか楽観的な希望の部分を持っていないといけない。悲観的な結論が一時的に出てくるのはいいですよ。それは分析をちゃんとやってるということですから。でも、そのあとにちゃんと責任を持って、じゃあその悲観的な結論の部分を自分がなんとかしますと。そうして最後に楽観的な結論に持っていって初めて結論になると思っているんです。だから、悲観的なところで止めちゃったら、仕事を途中でやめてしまうことになるという意識が自分にはあります。(長沼)『問い続ける力 -考えるとは何か』 p87 長沼伸一郎さんとの対談  

あぁ、そうだよな、と思った。社長が楽天的なのは、悲観的になっても事態が解決しないことを知っているからだ。弱さを共有しあうことと、悲観的になって悲しみに溺れることは違う。

「担保のない愛には踏み出せない、、、これは典型的な劣等コンプレックスの発想です。自らの劣等感を、課題を解決しない言い訳に使っているのです。(中略)課題を分離しましょう。愛することは、あなたの課題です。しかし、相手があなたの愛にどう応えるか。これは他者の課題であって、あなたにコントロールできることではありません。あなたにできることは、課題を分離し、ただ自分から先に愛すること、それだけです。『幸せになる勇気』p259


そうだそうだ。私は「これだけしてあげるんだから、認めてよね」という承認欲求によって動かされていた。(年収100万落ちたし。今の会社で関東以外出身なの私だけだし。まじ自活って大変なんだからな、、、。それでもこの会社に入ってあげたんだからというなんとも貧相な思考である。)

でも、そうしたドロドロは、担保のない愛に踏み出すことを恐れた結果だったのだ。「たとえ社長に嫌われても、会社からいらないと思われる瞬間があったとしても、私は、私が見切りを付けない限りは、みんなと会社を信じよう。」と、ちっちゃく決意をした。たとえ、愛した結果、何も返ってこなかったとしても。


「我々は他者を愛することによってのみ、自己中心性から解放されます。他者を愛することによってのみ、自立を成しえます。そして他者を愛することによってのみ、共同体感覚にたどり着くのです。」『幸せになる勇気』p272


「愛されよう」として、ずっと多くのものを求めてきた。そんな自分からは、もうおさらばしたいのだ。自立したいのだ。自走したいのだ。私には、それができるし、そのために、皆を愛したいのだ!!!!!



どうしてもやりきれなくて、「なんで私ばっかり」と思ってしまう瞬間が、またやってくるだろう。そんな時、またこのnoteを思い出したい。


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