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{読書感想短歌*8} 恩田陸『八月は冷たい城』

いとしいと言わないままで指先の冷たさだけをわけあっている

itosiito iwanaimamade yubisakino tumetasa dakewo wakeatte iru

「七月に流れる花」のきょうだい編。少女たちがミステリアスな城で過ごしたあの夏、おとなりの少年たちのエリアでは何が起きていたのか。前作主人公の知らなかったことを読者が共有した後での展開なので、同じ世界設定なのに、だいぶんシビアに感じる。

※こども時代に感じる理不尽さって、独特だなっておもっていて。「どうしようもないこと」とかは、大人になってからも全然あるんだけど、こどもが抱えてるそれは、「自分たちにはどうしようもない」けど、「誰か(大人とか)にはどうにかできるかもしれない」のに、どうして、ってことであったりするから、なのかな。

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