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日曜夜の思考

普段は女々しい後ろ向きな文章を綴っていたりするが今回は生きること、特にいのちについて少しだけ考えてみる。

まず第一に僕にはコメディカルとしてのキャリアがある。特に急性期の対応に当たることが多く、命が消えゆく瞬間や、光景に立ち会ってきた。

目の前で家族が亡くなる状況に立ち会ったことがあるか。
自分の家族ではない、他の誰かが亡くなるその時に。

望まれて死にゆく人なんてほとんどいない。
突然の死というものは望まれないものの最たるものではないだろうか。
そういった死に瀕した家族は傷を負う。
何事にも準備が必要で、急激な変化に人はついていけない。


学生時代、父が自死を図った。
当時の僕には、とてつもない衝撃だった。
母や兄弟、特に母にとってはかなりのショックだったんじゃないだろうか。
父の入院中は、精神的にまいってしまっていた記憶がある。
兄弟も同様に、学校でのトラブルを抱えてしまったりと不安定だった。
近しい人の苦しみは伝染するのだ。

それ以来、精神疾患を憎むようになった。
当時の父や、僕と同じように苦しむ人を救いたいと思うようになった。
事故や病気で苦しむ本人だけじゃなく、周囲の人間も含めて少しでも救うことができればと思い医療に関わるようになった。


そんな僕でも、死にたいと思う時がある。
その度に思いとどまらせてくれるのは、学生時代の思い出がきっかけだろう。
自分以上に悲しむ人や傷ついてしまう人がいる。
死んでお終いの本人と、残された家族はどっちが幸せなんだろう。
生きることができるのなら生きていた方が良いんじゃないか。

生きている意味なんて最初からない。
そんなことを考え始める前に、肩の力を抜いて気楽に生きるべきだ。
流されたって、多少つまづいてしまったっていい。
剥き出しの命が輝く瞬間はきっとある。

そんなことを考えてみたり。

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