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【散文】《春の草はよく伸びる》――あるいは、姉妹としての記憶【詩】『帰還』(2013)より/「ちいさな火」「水源」「生きている身体」「復活祭」


Uちゃんはわたしの実の妹なので、この記事に登場する「おかあさん」はわたしのハハでもあるのだが。

「キュウリ竹輪」は、わたしの記憶からはきれいさっぱり抜け落ちている。

たぶん、わたしがきゅうりもちくわもさほど好きではないせいなのだと思う。

わたしの記憶にあるハハの手料理はハンバーグとコロッケだが、残念ながらレシピは受け継がれていない。

教えてもらいながらいっしょに作ったことはあるので、ある程度までなら再現できるかもしれないな、とは思う。

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ちいさな火(2003/01/25)

あなたに
遠くで幸福に生きてほしかった
私たちは
折り合うことができないので
一緒に暮らすことは出来ないが
あなたの幸福を
遠くにいて信じたかった
あなたの幸福を
遠くにいて願いつづける者に
私はなりたかった


水源(2003/02/12)

ぽとり、ぽとりと
雨だれのように
その滴りが
生命をつなぐ

熱をもつ身体
たたかう免疫細胞
もがき生きること

太陽系第三惑星
奇跡の水の星

地を穿つ雨

やがて奔流となり
海へとそそぐ


生きている身体(2003/02/18)

骨が砕けるほど
痛むのは
生きているからだ

逞しく伸びる
新しい芽のために

痛むのは
生きているからだ


復活祭(2003/03/04/20,30 & 5/31 Happy Birthday)

おいしいうれしいありがとう

手をつなぎはじめた細胞に
かつて刻まれていた記憶が
つぼみ咲くようにひらく

ごめんねありがとう
みんなやさしい

降り注いだ無数の
まっすぐな祈りは深く貫き
光のやり方であなたを導いた

あたしわかった
みんなすごい

ほんとうはすき
みんなだいすき

壊れても壊れても
いのち続くかぎり何度でも
組み立てなおすことはできる

どこのどなたのどんな生き様も
まったくこのように
語るに価する一生涯である

ありがとう
みなぎる再生の力
生きて還りし物語

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