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平凡な高校生の俺がある朝起きると虫になっているなんて

朝起きると、俺はベッドの上で大きな芋虫になっていた。

それはまだいい。

「お兄ちゃん?」

問題は、起こしに来た妹がコモンツチバチになっていたことだ。

「お兄ちゃぁぁぁん!」
妹が飛翔!俺は危険を感じて逃げようとするも、短い付属肢では時速2km程度が限界!あっという間に組み付かれる!
「お兄ちゃぁぁぁん!」
妹が腹部の針を振り上げる!ヤバい!コモンツチバチは寄生蜂の一種なのだ!
「こら!」
そこに現れたのはオニヤンマとなった母!すんでのところで妹に噛みつき引き剥がす!
「産ませてよぉ!」
「よそでやりなさい!」
そのまま窓から放り出す!妹は不服げに、別のターゲットを探して街のほうへ飛んで行く。助かった……。

安堵した俺は学校に病欠の連絡を入れると、部屋で昆虫図鑑でも読むことにした。自分の正体を調べるのだ。
カッコいい甲虫だといいな……あった!俺と瓜二つの姿!こいつは何の幼虫だ!?

『アオカナブン』

俺は不貞寝した。

【続く】

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