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ヒトの口から見つかった「オーラルケア菌」? 口内善玉菌の可能性

こんにちは!
NextRevolutuion(ネクストレボリューション) PR事務局です。

このnoteでは「お口から全身へ、ヘルスリテラシーを高める」をテーマに、美容・健康情報を発信しています。

今回のテーマは「口内善玉菌の無限の可能性」です。

腸活全盛期、菌が持つ体に嬉しい効果

最近、デトックス作用や美肌効果を求めて
「腸活」に励む女性が増えてきていますよね。

また「免疫力向上」や「睡眠の質向上」など
健康効果をうたう乳酸菌が入った商品も
毎年開発され、発売されています。

・ヤクルト社が発見した、ストレス緩和・睡眠の質向上の機能を持つ「乳酸菌 シロタ株」
・キリンが発見した、対ウイルスでの免疫を活性化させる「プラズマ乳酸菌」

といった特別な菌の健康効果は
皆さんもCMや口コミでご存知かもしれません。

このような腸内環境を整える動きや
善玉菌を取り入れた商品がブームになっています。

細菌の移植も? 最近の医療研究で分かった菌の可能性

そして近年は遺伝子解析のノウハウが腸内細菌研究の領域にもちこまれ、
腸内細菌のはたらきが体質や病気に大きく影響することもわかってきました。

例えば、日本人は世界一の長寿国で
太りすぎの人の割合が世界でも少ないと言われています。

そしてそんな日本人の腸内細菌は、
炭水化物を栄養素にする代謝機能が優れていたり、
他の11カ国では普通にみかける細菌が少なかったりなど
固有の特徴を持っています。

健康や体の特性・病気の原因を考えるときに、
その人がもっている「菌」の特徴も含めて見るべきだという考え方は
医療人の間でも広まりつつあります。

また、腸内細菌を医療行為で用いる研究も進んでいます。

(引用:順天堂大学)

「FMT(腸内細菌叢移植)」と呼ばれる治療法は、
感染性腸炎や過敏性腸症候群など
胃腸の不調を伴う病気を持つ患者さんに
健康な人の便に含まれる腸内細菌を移植する治療法
です。

「人のうんちを移植するの?」とびっくりされるかもしれませんが、
一定の効果が認められている治療法なんですよ。

日本ではまだまだ行っている病院は少ないですが
最近ではオーストラリアでFMTが医薬品として承認されるなど
欧米を中心に実用化が進んでいます。

腸内環境を正常化させること、
そして腸内細菌たちが持つ健康効果は
今後の研究にさらに広がっていくことでしょう。

腸内だけではない! あらゆる部位で人と菌は共生している

腸内細菌のような、人間の体に住み着く菌は常在菌と呼ばれています。
そして常在菌は腸内だけではなく、

・口腔内
・頭髪
・皮膚
・のど
・鼻
・膣

など、人間のさまざまな部位で生息しており、
これらの細菌・微生物を合計すると
なんと1000兆個を超えると言われています。

これらの細菌を顕微鏡で観察すると、
草むらやお花畑のように集まって見えることから、
「細菌叢」「細菌フローラ」と呼ばれます。

そして腸内と同じように、さまざまな場所にある細菌フローラもまた
人間の体質や健康状態に影響を及ぼすことが分かってきました。

このように私たちは、「菌と人生をともにしている」と言えるでしょう。

虫歯菌や歯周病菌を殺菌!優秀なお口の善玉菌「ブリス菌」

口内にももちろん、「口内フローラ」という
細菌フローラが存在しています。

虫歯をもたらすミュータンス菌や
いわゆる歯周病菌と呼ばれるA.A菌、P.G菌は
口内の悪玉菌です。

反対に、悪さをする口内細菌を動きを抑制し
口内の状態を良好にする作用のある
ブリス菌(ブリス菌)という菌もあります。

ブリス菌紹介①:菌でありながら強い抗菌・消炎作用のあるBLIS K12

ブリス菌のBLISは、
Bacteriocin-Like-Inhibitory-Substances
(「抑制物質のようなバクテリオシン」)の頭文字をとったもの。
※バクテリオシンとは、類縁菌に対して抗菌作用を持つ物質のこと。

つまりブリス菌とは
「口内に留まりながら、
口内の悪玉菌を抗菌・抑制する菌たち」
の総称を指します。

その中でもBLIS K12という菌は、
他のブリス菌と比較しても最高レベルの抗菌・消炎効果を持つ善玉菌。

虫歯菌や歯周病菌、のどのはれ・痛みの原因となる菌を殺菌しながら、
歯肉炎・咽頭炎の炎症を抑えてくれる働きもあります。
まさにオーラルケアの優等生菌です。

また、多くの善玉菌は口の中に入れても口の中に定着せず
すぐに胃まで到達してしまいます。
ブリス菌は口の中に留まりやすいのですが、
中でもBLIS K12は口の粘膜に強くくっつく性質を持っています。

そのため、悪玉菌よりも定着しやすく
かつ病原菌を追い出しやすいという効果があるのです。

ちなみにBLIS K12は、
一度も咽頭炎や虫歯といったお口の病気にかかったことがない
ニュージーランドの12歳の男の子の口から発見されました。 
だから「12」という名前がついています。

ブリス菌紹介②:虫歯とたたかう大本命菌 BLIS M18

ブリス菌の一つであるBLIS M18は
虫歯予防に効果のある善玉菌です。

BLIS M18は、菌が作り出す酵素に特徴があります。
一つは、歯垢の主成分を分解する酵素。
もう一つは、虫歯菌が出す酸を中和する酵素です。

歯垢と虫歯の酸、どちらにもアプローチするM18は
さまざまな研究で虫歯予防の有効性が実証されています。

ちなみにBLIS M18もまた、ニュージーランドの
虫歯になったことがない子どものお口から見つかりました。

これからの時代のオーラルケアは「菌で整える」

前回の記事では
歯周病や虫歯が慢性炎症を引き起こし、
心臓病や糖尿病などの全身疾患につながることをお伝えしました。

虫歯や歯周病の根本原因は、口内の悪玉菌。
口内の善玉菌を増やし、口内環境を整えることは
全身疾患の予防にもつながるでしょう。

美容や健康効果を求めて腸活するのと同じように
単なるオーラルケアだけではなく、全身の健康ケアの観点から
お口の中を菌で整える時代が来ると思っています。

とはいえ、口内善玉菌はまだまだ未知の可能性を秘めた領域です。

口内の細菌は500から700種類あると言われていますが
まだ見つかっていなかったり、
名前のついていなかったりする菌もたくさんあります。

腸内細菌のように、口内細菌も研究が進むことを期待したいですね。

さいごに

株式会社Next Revolutionは、「日本をリードするwell-tech カンパニー」をミッションに、
美容・健康領域におけるプロダクト開発事業と歯科医院経営サポート事業を展開しています。
歯科医院の経営者でもあるCEO天雲の歯科医療・予防医学・医院経営の知見を活かし、
well-beingの領域から豊かな社会づくりを目指しています。

このnoteでも歯科を基点としてさまざまな美容・健康情報をお届けしますので、
気になる方はフォローをお願いします!

参考文献

朝日新聞 「Reライフ.net」:腸内細菌のゲノム解析(1)国際比較から見えてくるもの 日本人の腸内細菌、その特徴はなに? 米国や中国となぜ違う?
STORY NEWS:【メタジェンセラピューティクス 中原 拓】腸内細菌に感じた“大きな物語”。博士キャラに憧れた経営者が目指すイノベーション
大学法人順天堂:兄弟、同世代のドナーが便移植療法の長期治療効果を高める~ 個別化腸内細菌療法の確立に向けて ~
ブリス菌健康情報室:BLIS M18とは?
ブリス菌健康情報室:BLIS K12とは?

記事監修者

天雲丈敦(てんくも・たけのぶ)
鶴見大学歯学部卒業後、加藤歯科医院ユニオンセンター歯科室に入職。副院長5年経験を経て、2012年横浜市にててんくも歯科医院を開院。2013年千葉に分院を開設。14年に医療法人社団を設立し、16年には本院を6倍に拡大移転、静岡に分院を開設。現在、歯科のみに留まらず、遺伝子検査、整体などの全身予防の医療連携を行っている。

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