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歳を重ねるという魔法

どんな話の流れだったかは忘れたが、会社の人たちと話していたときに「歳を取るだけで自然と状況が変わると思っている人がいるけど、そんなことって全然ないですよね」みたいな話をしていた。

個人的にはここ2年ちょっとがしんどすぎて、いつか死ぬときに人生を振り返って、あの頃は最悪な時期だったな〜ってなるんじゃないかと思うくらい、本当に嫌になっているけど、こうなる直前が結構怖いくらいに順調だったから、まあこれも人生にとって必要な時期なのかなとも思う。

最近色んな人のインタビューなどを読んでいる中で、とにかく20代の頃は辛かった、と話している30〜40代のことがやたら目に付くようになった。だから自分も今がその辛い時期とやらなんじゃないかと思うようにして、彼ら彼女らのように、いつか今よりも落ち着いた状態の自分が今を振り返って、あの経験も必要だったと本当の意味で思える時が来るんじゃないかと想像したりする。

考えることなんて常に変化していくし、今信じていることも数年後には馬鹿馬鹿しく思えたりするもんだと思うけど、その時々でその時なりの希望を見出していかない限りは前向きに生きていくことは難しい。

昔から、自分より少し歳上の人たちの話を聞くのが好きだった。リスクヘッジをしたがる性格だから、そうやって色んな情報を仕入れたくなるというのもあるが、自分より少し先を生きている人の生の声を聞くことはやはり自分にとって今を生きるための希望の材料になる。

ずっと歳を取ることが怖かった。青い自分が好きで、それこそが自分らしさだと思っていたし、大切にしたかったからだ。子供の頃の自分を裏切りたくなくて、嫌な大人になるのが嫌だった。でも、そんな考えも少しずつ変わってきたのかもしれない。もっと懐の深い余裕のある人間になりたいし、そのためには歳を重ねて経験を積むことも必要なんだろうなと考えるようになった。今はちょっと、歳を取ったら何かが変わるかもしれないという、こんな漠然とした陳腐な願いも、自分を救うのかもしれない。

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