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【VISIONING VOICE Magazine #17】 「学歴審査不要。AIが変える採用」 〜 株式会社タレントアンドアセスメント 代表取締役社長 山﨑 俊明さん〜

NEXs Tokyoが主催する、ローカルおよび国内外の広域展開に挑むスタートアップが”次のステージ”に向かって羽ばたくために、サポートをしてくれる人やファンと繋がる番組VISIONING VOICEをインタビュー記事としてまとめたマガジン「VISIONING VOICE Magazine」 📖

「VISIONING VOICE」はNEXs Tokyoと日経グループがコラボし、次のステージを目指すスタートアップ企業の3つの「カクシン(核心・革新・確信)」に迫り、起業家の想いを深堀りします。
パーソナリティは、長年スタートアップを取材している日本経済新聞社・上田敬さんとNEXs Tokyoコミュニティスタッフ・閏野が務め、番組をお届けしています。

今回はJUMPコース(東京発)のスタートアップ、株式会社タレントアンドアセスメント 代表取締役社長の山﨑 俊明(やまさき としあき)さんにインタビューさせていただきました!

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<登壇者プロフィール>
山﨑 俊明(株式会社タレントアンドアセスメント 代表取締役)
株式会社大正銀行、アクサ生命保険株式会社を経験後、2011年に独立し、株式会社T&Aパートナーズを設立。採用コンサルティングを主とした事業を展開。2014年に株式会社タレントアンドアセスメントを設立し、AI面接サービスの主軸となる「戦略採用メソッド」を確立させる。2017年に世界初となる対話型AI面接サービスSHaiNの開発に成功し、サービスを開始。「採りたい気持ちをカタチにしたい」をコーポレートスローガンに掲げ事業を展開している 。
株式会社タレントアンドアセスメント公式サイト:https://www.taleasse.co.jp/
SHaiNサービスページ:https://SHaiN-ai.jp/

AIだからこそ本質を見抜ける

対話型AI面接サービス「SHaiN」を運営する株式会社タレントアンドアセスメントの山﨑俊明さん。AIが面接を行うので、24時間365日、受検者の好きなタイミングでスマートフォンを使って面接を受けることができます。一方、企業側にとっても、質問構築から評価軸に沿って面接を採点するところまでをAIが担ってくれるため、非常に効率的に採用活動を行うことができます。

山﨑さん:面接の省力化というメリットもありますが、最も大切にしているのは、受検者が本来持っている資質を可視化するということです。当社のシンボルマークである氷山には、見えている部分と水面下の見えていない部分があります。人に例えると、見えている部分は学歴や職歴。書類審査において学歴でフィルターを掛けることがありますが、より重要なのは書類では見えていない本質を探り、企業に必要な人材かを判断することではないでしょうか。従来は面接や適性検査で、人の本質を探ろうとしていましたが、私たちはこれをAI面接で行おうと提案しています。

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山﨑さん:面接内容はすべて録画され、話した内容もすべて文字起こしされて企業に届きます。また、文字起こしされた内容から、10項目に沿って評点がつけられます。そのため、従来あったような面接官による評価のばらつきがなく、公平公正な面接を実施することができるようになります。質問は一問一答形式で構成されていて、企業が自由質問を追加することも可能です。受検者は面接を流用することができるので、A社の面接を同業他社のB社に共有することもできます。面接結果をどう評価するかは、企業によって異なるため、面接内容が同じだからと言って、合否がどこでも同じになるわけではありません。
すでに300社に導入され、自治体にも活用が広がっています。

【核心】優秀な人材を数値化するメソッド

―― 起業した背景について教えてください。

山﨑さん:大学を卒業した時、学校で決められた時間割に沿って行動するという、それまでの「与えられる」生活から、すべてを自分で決められる自由な生活に変わったことに大きな喜びを感じました。社会で自分をどう活かすかを決めるのは自分自身。それならばと、24時間365日間、懸命に働き続けました。より自由な環境を求めて転職したアクサ生命保険会社には、13年間勤め、最後は金融法人営業部の副部長に就いていました。ところが役職が上がるほど、それまでの量をこなす働き方とは変わってきます。「一生懸命働くとはどういうことか」と自問自答しているうちに出会ったのが、幻冬舎の代表取締役社長である見城徹さんの「憂鬱でなければ、仕事じゃない」という言葉でした。当時、仕事はまったく憂鬱なものではなく、自分は仕事をしていないのではと疑問に感じるようになり、一念発起したのが独立起業した理由です。

―― なぜ、人材採用に着目されたのですか?

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山﨑さん:最初はコンサルティングで起業したのですが、お客様から伺う課題の多くは人材に関することでした。さらに、「人材」の問題について分析してみると、人材育成や採用代行を担う企業は世の中にたくさんあるのに、本当に優秀な人材を見抜くという課題解決にまで落とし込んだサービスはないことに気がつきました。つまり、どういう質問をし、どういう回答を得れば、マッチング度の高い人材が得られるのかをコンサルティングできる会社がどこにもなかったのです。私は前職で外資系企業にいましたが、そこでは採用も人事評価もすべて点数化されていました。逆に言うと、いくら良いことをしていても、数値化されていなければ、何も評価してもらえません。私はその仕組みを理解していたからこそ、昇進し続けることができていたのです。今度はそのノウハウを活かし、新規事業が起こせると考えました。そして、人事評価の点数化のメソッドを構築した前職の顧問に会いに行き、当社に招き入れました。最終的には、そのメソッドが原点となり、当社のAI面接のサービスに発展していったのです。

【確信】学歴よりも経験が活きる社会へ

―― 山﨑さんがアップデートしていきたい社会の課題はなんですか?

山﨑さん:学歴社会から「生き様社会」へアップデートしていきたいと考えています。生き様社会とは、その人の生き様、つまり、過去の経験で就職面接を戦える社会です。入社して何ができるかは、その人がそれまでに培ってきた経験に現れていると思います。学歴や職歴よりもそうした経験を重視することができれば、企業にとってより良い人材を採用できるのではないでしょうか。

―― 実際にSHaiNを導入された企業の反応はどうですか?

山﨑さん:AI面接を活用することで、より深く学生の話を聞けるようになったと評価いただいています。採用担当が面接に掛けられる時間には限りがあり、その限られた時間の中で学生の本質を見抜くことは不可能です。あらかじめAI面接を行っておくと、そのレポートを見ながら面接ができるので、さらに聞きたいことを深掘りしたり、動機付けを行ったりすることもできます。当社では、すべての面接をAIに置き換えようというのではなく、AIを活用して、人がやるべき面接をより「人らしく」やりましょうということを提案しています。

―― 学生側の反応はいかがですか?

山﨑さん:学生にも好評です。AIは時間で切らずに最後まで話を聞いてくれますからね。学生が拒否反応を示すのではと心配される方もいますが、実際には逆で、学生の多くはAIの方が話しやすいと感じています。

―― SHaiNの導入によって、採用される人材に変化は起きているのでしょうか。

山﨑さん:興味深いことに、従来の面接では高評価を得ていたような話の上手い学生が、なかなか採用されないといったケースが出てきています。これまでの面接では、企業が求めていることを正しく理解して、自分の経験を的確に語る能力のある人が評価されやすい傾向がありました。せっかく良いことを話していても、表現が分かりにくいと、面接の結果に繋がりにくかったのです。AI面接を使うと、話し方に依存せずに話の内容を公平に評価することができ、話し下手でも優秀な人材を見出すことが可能になったと話される企業がたくさんあります。

【革新】面接から言語の壁をなくす

スクショ(革新)

―― 山﨑さんの「欲しい未来」は何ですか?

山﨑さん:「SHaiNを世界共通の面接プラットフォームにする」と考えています。SHaiNを導入すると国籍やジェンダーも関係なく、入社試験を実施することが可能になります。これから労働人口が減少していく中で、日本は海外からも人材を受け入れていく必要がありますが、採用活動には言語の壁があります。ですが、SHaiNを導入すれば、日本語以外の言語でも面接ができ、レポートも日本語で上がってきます。技術的には問題ないので、近い将来実現させていきたいです。

地域と学生を繋ぐ架け橋に

―― 最後に、山﨑さんがこれから出会いたい人について、教えてください。

山﨑さん:現在、君津市、姫路市、村上市、四日市市に導入されていますが、さらに多くの自治体にSHaiNを活用していただきたいと考えています。地方では人材流出が大きな課題になっており、学生のUターン就職に取り組んでいる自治体も多いと思います。そのような自治体にぜひSHaiNを紹介していきたいです。

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―― 山﨑さん、ありがとうございました!

番組ではその他にも、より詳しい起業の背景やSHaiNの活用事例などを聞くことが出来ます。youtubeアーカイブより視聴可能ですので、併せてぜひご覧ください!

次回はDIVE(地域発)コースのスタートアップ、ICS-net株式会社 代表取締役CEO 小池 祥悟(こいけ しょうご)さんにご出演いただいた#42の記事です!

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