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【VISIONING VOICE Magazine #10】 「学校への外部人材投入で子どもたちに社会と繋がる学習体験を」 〜株式会社LX DESIGN 金谷 智さん〜

NEXs Tokyoが主催する、ローカルおよび国内外の広域展開に挑むスタートアップが”次のステージ”に向かって羽ばたくために、サポートをしてくれる人やファンと繋がる番組VISIONING VOICEをインタビュー記事としてまとめたマガジン「VISIONING VOICE Magazine」 📖
「VISIONING VOICE」は4月より日経グループとコラボし、さらにパワーアップ!次のステージを目指すスタートアップ企業の3つの「カクシン(核心・革新・確信)」に迫り、起業家の想いを深堀りします。

今回は延期になっていたJUMPコース(東京発)のスタートアップ、株式会社LX DESIGN 代表取締役社長の金谷 智(かなたに さとし)さんにインタビューさせていただきました!

バナーデータ_ゲスト

<登壇者プロフィール>
金谷 智 (株式会社LX DESIGN 代表取締役社長)
1990年、富山県生まれ。高岡高校、東京学芸大学教育学部を卒業後、アメリカ・サンフランシスコのスタートアップ企業、公立小学校学級担任、教育系スタートアップを経て、株式会社 LX DESIGNを設立。教育特化型複業プラットフォーム"複業先生"など、テクノロジー×教育領域のサービスを全国展開。教育系大学生のためのLXゼミは年間参加者300名を超えるコミュニティに。都内私立大学での客員教員、地元富山大学での授業など、国、行政、企業、多様なプレイヤーを巻き込んだ、学校の新たな関係人口創出エコシステムに注力。
LX DESIGN公式サイト:https://www.lxdesign.me/
複業先生公式サイト:https://www.fukugyo-sensei.me/

社会と繋がる現代版“職業体験”

専門分野を持った民間の人材と学校を繋ぐプラットフォームをつくり、子どもたちに開かれた学習機会を提供している株式会社LX DESIGNの金谷智さん。
圧倒的な人手不足を抱えている教育現場に外部の人材を入れることによって、先生たちの働き方改革に貢献するだけでなく、子どもたちが社会と繋がり、将来のビジョンを持って学ぶことができるサービス“複業先生”を運営しています。

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金谷さん:外部講師に登録しているのは、20代30代の起業家からIT系の方たち、オリンピック・パラリンピックの選手もいて、多様な人が学校現場と触れあう機会を用意しています。教科教育においては、宇宙の話をJAXAの方、SDGs水資源の循環について大手飲料メーカーの方、など専門性を生かした授業をしていただいています。進路の学習やキャリア教育の分野では、自分たちの未来像の中にどういう人たちが関わってくるかがイメージできるような授業が開講されています。

―― 学校の先生たちの中には、学校への介入に対してもっとNOの人がいるのかと思っていましたが。

金谷さん:先生たちも、子どもたちが将来のビジョンを持って過ごしてほしい、今の学習がどのような将来に繋がっているかを主体的に理解してほしい、と思っている側面があります。外部の先生が授業をするというのは、従来の「職業体験」が形を変えて子どもたちの日常に入っていくイメージと近いのかもしれません。「社会と繋がって学んだ方が良い」という考え方は以前からあり、否定する人はいないのでは。国をあげての実証事業も昨年から始まり、機運は高まりつつあります。ようやく動きとして追いついてきたのではないかと思っています。

【核心】絶望の先に見つけた「テクノロジー」という鍵

―― 金谷さんは一度教員になられてから起業されていますね。実際に起業に至るまでには、どのような経緯があったのでしょうか。

金谷さん:両親も教員で、自分自身も教員になりたいと思って高校時代を過ごしていましたが、同級生からの「なぜ教員に?」という問いかけがきっかけで、学校教育業界の将来の姿を考えるようになりました。今とは確実に変わっていることだけは確信がありましたが、どうなっているかは見えてきませんでした。そこで、学生時代に起業家やIT業界の人に話を聞いて、まずはビジネスの現場でチャレンジしなければと思い、民間企業に就職しました。しかしいざ就職してみると、学校現場を知らなければどれだけ外から教育イノベーションを訴えても何もできない、ということに絶望しました。やはり一から学校現場でしっかり中を学ばなければと思い直し、教員に転職しました。

―― 実際に教員になられていかがでしたか。

金谷さん:教員になってみると、自分が生徒だったときと全く変わらない日常があって、20年30年変わっていない学校現場に、ある意味危機感を覚えましたし、ショックでした。しかも、教員になって「社会と繋ぐ体験」を持ち込もうと意気込んでいたのに、子どもたちの安心安全を守ることで手いっぱいで。1日7時間45分の勤務時間の内、6時間は子どもたちと一緒。40人ひとりひとりと向き合いながら日常を過ごしているので、外部に目を向け新しい種を発掘して連れてくるという余裕はありませんでした。自分ひとりでできることの限界値にぶつかる毎日。外部からの支援がないと「社会と繋がって学ぶ」という学校現場でやりたかったコンセプトに全然たどり着けない、という絶望感を味わい、そこからテクノロジーで何ができるかを模索するようになりました。

―― 金谷さんのおっしゃる「テクノロジー」というのは何を指すのでしょうか。

金谷さん:オンライン授業という方法もそうですが、データの活用という意味でとらえています。「複業先生」では、どんな子どもたちがいて、これまでにどんな講師の授業を受け、何を感じ、どんなことに興味を持ったか、などがデータとして蓄積されています。そのため、「複業先生」に登録している講師が授業をする際には、受け持つ子どもたちの興味関心に合った連続性のある学びを提供でき、「学びの接続」が正しく行われるようになるのです。

【革新】社会の変化に取り残された学校のアップデート

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―― この事業を通して金谷さんがアップデートさせたいことはどんなことでしょうか。

金谷さん:コロナ禍の休校中、学校もオンライン授業の活用などでDX化が進みましたが、日常に戻るとまだまだだという実感があります。学校業界のDXをさらに進めることで、先生たちが自分たちの専門性を生かしきれなかったり、先生が集中すべきところにリソースを避けていなかったりといった、学校が孤立化することで生まれる問題を解消したい。先生が先生になった思いを、全うし続けることができるようにしたい。また、学校に関わる人を増やし、学校のアップデートが図っていきたいと考えています。複業先生の在り方としても、単発的ではなく、日常の中にどう溶け込ませていくかがチャレンジであり、課題だと思っています。

【確信】開かれた学習機会を子どもたちに

―― 金谷さんの「欲しい未来」は何でしょうか。

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金谷さん:新しい学習機会づくりをこれから進めていきたいと思っています。徐々に学校のDXは関係人口が増える方向に世の中が変わってきていますが、まだまだ外部の人材活用も学校のオンライン活用も黎明期なので、この部分に関わってくださる企業、個人、先生方と皆さんで一緒に作っていきたいと思っています。

共感の輪を広げて

―― 最後に、金谷さんが今後さらに広域展開を目指していくにあたって叶えたいことや、どんな人に出会いたいか、教えてください。

金谷さん:教育境域で取り組みをしていくと、地域の方や自治体、地域の企業に関わっていただいて、取り組みが広がっていくことが多いと感じています。NEXs Tokyoに共感していただいたり関わってくださったりしている方とも、一緒に取り組みを広げていきたいと思っています。

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―― 金谷さん、ありがとうございました!

番組ではその他にも、進化し続ける複業先生のサービスの詳細や、金谷さんの熱いお話などを聞くことが出来ます。youtubeアーカイブより視聴可能ですので、併せてぜひご覧ください!

次回はJUMP(東京発)コースのスタートアップ、株式会社Another works 代表取締役 大林 尚朝(おおばやし なおとも)さんにご出演いただいた#35の記事です!

■金谷さん、LX DESIGNさんに話を聞いてみたい、また、興味のあるみなさんは、コミュニティマネージャー・スタッフにご連絡いただくか、下記メールアドレスへお問い合わせください。コミュニティマネージャー・スタッフより繋がせていただきます◎

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