「人は人、自分は自分」を地で行くブラジル人。友達想いであたたかく、けれど自由で自立した彼女たち。
先日ブラジリアンの友人たちとクラブへ遊びに行ったのだけど、そこでの彼女たちがとてもおもしろかった。
彼女たちはお酒もそこそこに、楽しそうに踊り始めた。酔っ払って踊り狂うでもなく、男漁をしたり、男性に自分をアピールするでもなく、けだるい感じに過ごすでもなく、ただ、リズムに乗って、自分が気持ちいように体を動かし、楽しそうに踊っていた。それがほぼ4時間近く続いた。
わたしはあんなにもナチュラルにクラブを楽しむ人たちを初めてみた。
そんな彼女たちと一緒にいて、こんなにも自然な自分で、クラブを楽しめたことは初めてだと思うくらいだった。
少し外の空気を吸おうと、テラスで涼みながらリズムに乗っていると、おもしろいことが起こった。
わたしがドイツ人の男性に声をかけられ、少し会話をしたのだけど、友人たちのことを気にして話を早めに切り上げて彼女たちの元へ戻ると、みんながものすごい剣幕で「何してるの!もっと話さなきゃ!連絡先交換しなよ!彼イケメンじゃん!!」と言うのだ。
そして無理やりわたしをその男性の元へと引っ張って行き、もう一度話すようにさせたのだ。
わたしは今まで日本人の女の子としか一緒にクラブにいったことがないのだけど、こんなふうに「もっと話しなよ!」と全力で背中を押されたことなど一度もなかった。
うまく説明できないのだけど、日本の女の子たちはグループになると「一緒でなければならない」という変な雰囲気が流れているように思う。
もしかしたらわたしが勝手に感じていただけで、そんなものは存在しないのかもしれないけれど、とにかく特有な感じの空気があるように思う。
クラブに行ったら、ひとりだけがナンパされていたらなんだか微妙な雰囲気が流れるし、グループのなかで誰かひとりだけがいい思いをするのはおもしろくない。空気を読めよとばかりにあからさまに嫌な顔をする人もいる。
もちろんそうでない日本人女子もたくさんいるけれど、女子はグループになるととてもやっかいなのだ。
けれどブラジリアンの子達は、「せっかくかっこいい男性があなたに興味をもってるんだから、もっと話しなよ!」と背中を押してくれる。
彼女たちは自分と人を混合させず、人の楽しみを応援できるのだ。一人だけナンパされていたからといって、それで自分がどうこう思うこともない。むしろおもしろがり、楽しめる。
人は人、自分は自分を地で行く彼女達を、好きにならずにはいられない。
もう本当に素敵すぎておもしろくて、男性のことなどどうでもよかった。そんな彼女たちと一緒にいられることがわたしはとっても幸せだった。
帰るときも彼女たちは最高だった。
一緒に帰ろうとせず、おのおのが帰りたいときに勝手に帰り始めるのだ。
ひとりの女の子は男性といい感じになっていたので、「彼女は大人だから自分で帰れるでしょ」と言ってさっさと帰ったのには思わず笑ってしまった。
彼女たちは友達がそれぞれ楽しんでいるのを祝福し、他の男性といい感じになっているのを背中を押して応援し、べたべたとつるもうとせず、帰りたいときには帰る。
わたしは彼女たちのそのさらっとした、けれどあたたかい愛情を持ったそのバランスがとても好きだ。本当に、だい好きだ。
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