笑いたいときは笑い、泣きたいときは泣く。どこまでも素直なニューヨーカー。
先日ニューヨークに来て初めて映画館へ行き、「Pets」というペットたちの冒険アニメ映画を観たときのこと。
ニューヨーカーの映画の楽しみ方が、あまりにも日本人と違っていて驚いた。
彼らは上映中、おもしろければ大声で笑い、ペットがかわいいときは「Oh〜」と感嘆の声をあげ、ハプニングの場面では「ワォ!」と驚きの言葉を口にしていた。
彼らは感情、感動、驚き、楽しさ、それらの感情を全く隠そうとしていなかった。
もちろん、映画中にベラベラ喋ったりする人はいない。みんな映画に入り込み、感情を隠すことなく表現するのだ。
笑いのシーンであまりにもみんながゲラゲラ笑うので、わたしもつられて笑ってしまう。みんながあまりにも楽しそうなので、わたしも物語に入り込み、思わず声がもれてしまう。
声をあげて笑いながら観る映画は、黙っている映画の何倍も楽しい。
日本の映画館では「映画は静かに見るもの」「人の迷惑にならないようにしなければならない」という暗黙のルールがあり、疑うことなく感情を出さずに観ていた。
けれどニューヨーカーのあまりに自然な振る舞いに、そんな目に見えないルールはぶっ壊して、楽しいときは笑い、感情を出してもいいのだと気づく。
というか、これが本来の映画の楽しみ方なのだ。
きっとみんな、本当は笑って見たいんだ。きっとみんな、感動のシーンでは泣きたいんだ。
でも周りの人の迷惑になるから映画館で声をだしちゃいけないと、よくわからない「空気」を読んで必死に感情を抑えつける。
そして自分が我慢して、人がうるさくすると怒り出したりする。
「わたしは我慢してるんだから、あなたも静かにしなさい」と。
でも本来の目的は、映画を楽しみに来ている、楽しみに来ているわけだから、みんなもっと笑っていいんだ。
もっと笑いたいときは笑おう。泣きたいときは泣こう。周りの迷惑を気にせずに。
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