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ライバルと勝負をしないマーケティングこそが完全無敵

「僕は、これまで15年間、国内外合わせて300以上のセミナー運営に関わり、アンソニー・ロビンズやピーターセージなど世界トップスピーカーたちと一緒にセミナーをつくってきました。その現場で世界トップスピーカーたちから直接学んだセミナーセールスの原則をお伝えします」

これは、僕がまだセミナーセールスの専門家としてお金稼ぎをしていた時に使っていたセールストーク。『世界トップスピーカーたちのセミナー作りに関わってきた経験』というUSPを引っ提げ、それをビジネスの武器にして、高額セミナーやコンサルティングを販売していた。ブログでもメルマガでもLPでもこのUSPは全面アピール。ひとりでも多く、僕のセミナーに来てもらうことばかり考えていた。

僕がセミナーセールスを教え始めたころは、まだライバルが少なかった。2,3名がセミナーで商品を売る方法を教えていただけで、あとはセミナー集客ばかり。しかし、セミナーブームがきて集客ができるようになった人が増えると、セミナーセールスを教える人も増えてきた。ライバルが増えたんだ。僕は、焦りを感じた。今のUSP以外にも何か魅力を出さなければいけないんじゃない? そうしないとお客さんをとられるんじゃないか? そんな不安が日に日に強くなっていった。なるべく他のところに行かないように、メルマガなどでお客さんを囲い込むことを考えた。実際のところ、お客さんの数が減ったわけではないのだが、ライバルの増加に未来への不安がとても強くなっていったんだ。

僕がしていたのは、戦いだ。いかに市場をとれるかという陣取り合戦。もちろん一番を狙っていた。その方が沢山お金が入るからね。だけど当然ながらライバルも多い。いつか蹴落とされるんじゃないかと、不安になって、新しい武器を手に入れようとする。いつも戦いに勝つことばかり考えている。だから、凄く心が疲れていた。お金は稼げているのに、心が疲れるんだ。セミナーをするのは好き。好きなはずなのに、それを展開するために戦いを挑み、お客さんのお金を奪い合っているから、凄く疲れる。このままでは、僕の心がドンドン疲弊していくし、僕の理想の生き方ではないし、理想の世界に繋がらない。なので僕は、セミナーセールス事業を畳むことにしたんだ。

マーケティングには2種類ある。生存と存在。マーケティングの前提をどちらにするかによって、その内容、手段、プロセス、結果が大きく異なってくる。僕がやっていたのは、生存のマーケティングだ。生存のマーケティングは、その名の通り生存をかけた生き残りのマーケティング。市場で生き残るためにUSPや独自の強みといった武器をつくり、同業他社と競い、お客のお金を奪い合う。武器が通用し無くなれば、また新しい武器をつくる。どんどん敵が現れる。次々と倒し、勢力を伸ばしていかなければならない。そんな闘いのマーケティングが生存のマーケティングだ。僕は、これをしていた。USPが見つかった時、ビジネスの武器が見つかった気がした。強くなった気がした。それでお金も稼げた。でもその武器が通用しなくなった感じがして、次の武器をつくろうと思った。僕は、最強の武器を手に入れることによって無敵になろうとしたんだ。だけどそれは大きな勘違いで、心を疲弊させて終わってしまった。

僕は、生存のマーケティングを一切やめ、存在のマーケティングに切り替えた。存在のマーケティングは、存在を示すマーケティング。自分の魂の声を表現し、自分の在り方に周りを巻き込んでいくマーケティングだ。生き残りをかけていないので、勝負をする必要がない。武器をつくる必要もない。囲い込みもしなくて良い。そもそも戦う敵がいない。ただただ、自分の本当にやりたいことをやっているだけなのに、ファンが増え、応援者が増え、味方が増えていく。その結果、売り上げも上がっていく。それが存在のマーケティング。これまでビジネスの常識だと思っていた生存のマーケティングをやめ、その逆ともいえる存在のマーケティングをしたところ、どんどん味方が増えていったんだよね。

実は、生存から存在にシフトさせるとき、凄く勇気が必要だった。だって、それで本当にお金が入ってきて、生活ができるのか分からなかったから。でも、生存のマーケティングが通用しなくなってきたのは、肌で感じるようになってきたし、このまま同じことやっても同じ結果にしかならないと思ったし、何よりも既に心が疲弊していたからね。だから、なかばヤケクソで存在のマーケティングにシフトさせていった。そうしたらさ、応援者が増え、お金を稼がなくても生活できるようになったんだよね。

一番大きいのは、お金とか富が入ってくるようになったことではなくて、人とのつながりが増え、強くなっていったことかな。生存のマーケティングをしているときも人とのつながりはあったけど、そのつながりをもたらすのはお金だったり損得だったり。なにか表面的なつながりのように感じていたんだ。だけど、今はお金とか損得なく、もっと深いところで繋がっている感じがするんだよね。もちろんお金や損得でのつながりもあるけど、深いつながりの人も増えたってのは、僕にとっては凄い財産で、これからの可能性を期待させてくれるし、深い安心感もある。このつながりがあれば、何か困ったことがあっても助けてくれるだろうし、やりたいこともやれるように応援してくれる。そんな確信が高まってきたんだ。

無敵ってね、誰にも負けない一番強い力を持っている状態ではなくて、全てが味方で敵がいない状態のことだと思うのよ。全てが味方で敵が無い。だから無敵。そうかんがえると、勝負をしないマーケティング、存在のマーケティングは無敵だな。やっぱりね、勝負ばかりしていたら疲れちゃうよね。エネルギーがどんどん疲弊していく。どうせマーケティングをするなら、エネルギーが増幅していくほうが良いと思うんだ。エネルギーを奪うのではなく、増幅させる。すると、いつの間にか味方だらけの無敵状態になってる。そっちの方が楽しいよね。だから僕は、これからも存在のマーケティングをしていくことにするよ。

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