『お金のいらない村』の経済はトレードではなくシェアによって循環させる

「お金のいらない村って物々交換でほしいものを手に入れるんですか？」

先日、是空道場で『お金のいらない村』について話したところ、参加者の一人からそんな質問が出てきた。

お金がいらないっていうけど、
欲しいものをどうやって手に入れるの？
どうやって生活するの？
経済をどうやって回すの？

といった疑問は当然ながらあるよね。で、その疑問に対する僕の答えは、

シェア

そう、自分の持っているものをシェアすることで、経済が循環させていく。それが僕の答え。

今の世界ってトレード（交換）によって経済がまわっているよね。Aを手に入れる代わりにBを差し出す。はじめは物々交換だったけど、そこにお金が挟まってきて、今では何かとお金をトレードすることがほとんど。お金とお金をトレードしてお金を稼ぐなんてこともしてるよね。今の世界は、トレードが前提なんだよね。

何かを手に入れるためには何かとトレードしなければいけない、ってことになるとさ、トレードするものを持っていない人は、何も手に入れられないことになるよね。お金が無ければ何も手に入れられない。それでも働ける体があれば良いけど、けがや病気などで働けない人は、手に入れられない。生活保護とかでお金を支給されるけど、結局それもトレードのためのツール。トレードを前提にしていると、持たざる者は手に入れられないってことになるんだよね。

『お金のいらない村』ってさ、単に『お金がない』ってだけではなくて、『お金が不要』ってことなんだよね。お金のいらない村は、本当にやりたいことをやれる村ともいえるんだけど、本当にやりたいことをやるのにお金は不要なんだ。だけどさ、経済の前提がトレード（交換）だと、お金に代わる他のものが必要になってくるんだよね。物々交換にしたところで、交換する何かが必要だから、根本的にはお金のある世界とたいして変わらないんだよね。だからさ、経済の前提をトレードではなくて、シェアにするってわけ。

シェアってのはさ、自分に余裕がある時しかできない。この余裕ってのはさ、物質的な余裕ってことでもあるんだけど、どちらかというと心の余裕。要するに心が満たされているかどうかってこと。自分の心が満たされているときには、人にシェアしたくなるんだよね。

で、どうしたら心が満たされるの？

ってことなんだけど、それは

本当にやりたいことをやっているとき

本当にやりたいことをやっていると心が満たされていくんだよね。でね、その成果物とか機会なんかを人にシェアしたくなるんだ。

これってね、キャンプ場で強く感じることなんだけど、キャンプ場って奪いあいがない。食べ物とか木炭とか色々なもののシェアが起こる。

俺、焼きそば作ったから食べてよ
美味しいお酒買ってきたからみんなで呑もう
テント張れないなら手伝うよ

なんてことが当たり前に起きる。もちろん、お金のトレードなんて発生しない。シェアする人は自分が楽しいからやっているんだよね。やりたいことをやって自分の心が満たされているから、その喜びをシェアしたくなって実際にシェアするんだ。

このシェアをもう少し多くの人数でやると経済が循環するなって、僕は感じているんだよね。お金のいらない村にはさ、野菜つくりたい人がいて、家づくりをしたい人がいて、星を眺めたい人がいて、料理をしたい人がいて、みんなやりたいことをやってる。

するとどうなるか？

野菜をつくっている人は野菜をおすそ分けしたくなる。家づくりをしてる人は、他人の家もつくりたくなる。星のすばらしさについて語りたくなって、料理を多くのひとに食べてもらいたくなる。こうしてシェアが起き、経済の循環が起きるようになるんだよね。自分にシェアするものが無いからといって、何も受け取れないわけじゃない。シェアできるようになったらシェアをすればいい。生活も安定する。欲しいものも入ってくる。トレードではなく、シェアを前提とすると、お金が不要になるんだよね。僕は、そんな村を創りたいんだ。

前提をトレードからシェアに変えると、エネルギーの流れが変わってくる。

トレードってさ、

って感じだけど、シェアってのは

って感じ。その場限りで完結せず、様々なところにエネルギーが巡り、めぐりめぐって自分に返ってくる。ストックではなくフローが生まれるんだよね。だから、お金も食料も資源も様々なものが循環してくる。こうしたフローのある経済がこの世界の当たり前になったら、世界は大きく変わるなぁって感じるんだよね。でもまぁ、まずはじめにお金のいらない村でやっちまおうってわけ。

ということで、お金のいらない村ではトレードではなくシェアで経済をまわしていくよ。そうして、本当にやりたいことをやれる場を増やしていくよ。

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