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人格破壊!「あなたは不公正」論法

お手軽な人格破壊方法です。
私生活での使用は厳禁でお願いします。


論破術「類似からの議論」

修辞学(レトリック)でいうところの
「類似からの議論」と呼ばれる論法を紹介します。

この論法は
「本質的に同じもの同士は、同じ扱いを受けなければならない」
という観点から論破をするものです。

例を挙げてみます。

18歳未満の学生にだけ補助金10万円給付を行うのはおかしい。
同じ日本国民として、我々70代へ同じように給付を行うべきではないか。

まじん

「YouTuberへの批判は、実際に動画投稿を行いYouTuberとして活動した人間のみがする資格がある」というのは本当だろうか?
実際にプロのサッカー選手として活動した実績がない限り、プロサッカー選手への批判は許されないとでも言うのだろうか。

まじん

要は「Aは良いのに、同じような事柄であるBはダメのか?」という
相手のダブルスタンダードを露呈させる論法です。

この論法のどこが強いの?

この論法は、本質的に同じ属性を持つ複数の事柄に対し、
対象によって待遇を変えていることを明らかにします。

つまり、本質的に同じ範疇であるものを公正に扱っていないと主張し、
あなたは不公正な人間だ」という事実を反論と共に突きつけます。

議論において「何を言うか」も当然重要ですが、
「誰が言うか」も主張を強くする材料として見逃してはいけません。

なぜなら、論者の性格が疑われることは議論においてかなり不利に働くのです。

薬物を使用した芸能人の「二度とやりません」って信用できないですよね。
同じです。多分。

人格否定はやはり強いんです。。
通常のコミュニケーションにおいては確実に禁止カードです。

どう反論すればいい?

「Aは良いのに、同じような事柄であるBはダメのか?」
という主張が成り立つには、AとBが本質的に類似したものでなければなりません

冒頭の10万円給付の例は、

「18歳未満と70代では同じ日本国民という性質はたしかに一致している。
しかし、未成年が働くことの制限がある事実や、貯金・年金の有無を度外視している。
したがって、双方に同じような給付を行うべきであるという主張は正しいとは言えないのではないか。」

と反論すればよいです。

YouTuberとプロサッカー選手の例も同様です。

「得意なことで稼いでいる」という属性から、2つを類似しているものとして扱っています。

その職業になるための難易度や歴史の違いなど、
それぞれがいかに異なるものなのかを指摘し、
なぜ同じように扱うのか理由を問いただしましょう。

2つの差異を指摘することにより、論理が成り立たないことを突きつけましょう。

おぞましい人格否定バトルが今幕を開けます。

参考図書

余談

差異を指摘すればよいと言われているように、
ものすごく強い論法かと言われたら微妙な印象です。

「その2つは、本当に同じ扱いをして良いのでしょうか?」
という指摘に対する反論が必要になりそうです。

むしろこの「あなたは不公正」論法を利用して論破してくる、
嫌な人への防御策になるなぁ…と思いました。

ではまた~


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