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[レポート]海外での展示販売 in ベトナム 

障害のある人の感性×伝統工芸をテーマに、NEW TRADITIONAL(ニュートラ)プロジェクトでは、新しいプロダクトが生まれてきました。この日本の伝統工芸のエッセンスを含んだものづくり、海外ではどう受け取られるのでしょうか?

海外のお客さんの反応を聞いてみたいなあ。
という動機から、知り合いの海外の団体に声をかけ、実験的に海外展示販売をお願いしていているこのシリーズ。前回の台湾に続いて、お声がけしたのはベトナムです。

今回、ご依頼したのは、社会起業団体Toheさん。

Tohe
2006年に設立されたベトナムの社会的企業。
困難な状況にある子どもたちのために無料のアートクラスを開いたり、彼らのアートワークを用いていろいろな製品を作って販売してきました。売上の一部が、小さなアーティストたちに還元される仕組みです。
ベトナムでは社会貢献の分野では、名前が知られている存在。

(Good Job! センター香芝でもすこし商品を取り扱っています*)



ベトナムのお客さんから感想をもらえるようお手伝いいただけないか、お聞きしてみたところ、ご協力いただけるとのお返事と、次のようなご意見をいただきました。

・ベトナムの平均収入に比べると、今回の日本で販売している商品価格は高額です。
・物価の差から、日本の販売価格では実際に「売る」ことは難しいかもしれません。

ベトナムの平均年収:約3万8000円(*1)。日本の10分の1の所得で、物価の違いから、日本の品物は「高級品」になります。(*1 ベトナム統計局調べ)

ということで、

・本格的に売るのは難しいですが、展示や活動紹介をメインにするのでよろしければ、私たちのショップに来てくれたお客さんたちからこの商品についての感想をできるだけ集められますよ。

との頼もしいお返事が。
 
ぜひお願いします。ということで、今回は販売ではなく展示を念頭に、ベトナムのスタッフの皆さんが選んだ商品を現地にお送りしました。

販売いただくToheのショップ。ハノイにある直営店です。商品をきれいにディスプレイしてくれています。鹿のモビールも目立つところに配置してくださいました。


後ろ(写真右)に見えるのは、今回の展示のために、ベトナムのToheのみなさんが作ってくださった展示ポスターです。


ご好意で作っていただいた紹介ポスター。やはり国内でつくるポスターの雰囲気とは違い、
ベトナムらしい雰囲気がどことなく漂います。オリエンタル。

ベトナムのショップで展示をしてもらい、お店を訪れたお客さんたちにアンケートを取っていただきました。

ベトナムのみなさんに人気があった商品

アンケートの結果、ベトナムのみなさんに人気があったのは、とにかく「かわいい」張り子の置物たちでした。


人気ナンバー1カテゴリーの商品たち。細長い形をした動物、小さくて愛らしい招き猫やウサギなど… かわいい魅力に溢れているもの。(右)台湾で一番人気だった招き猫も入っています
次に人気が高かったのは、触ると首が動いたり、小物を持っていたり、一緒に遊べそうなプロダクトたちでした

そしてアンケートを取ってくださった結果、回答者の約80%ものの人が、ギフトで誰かに贈りたいと答えてくれました。そしてなんと97%もの人が、もし値段がもう少し安かったら購入したいとも… !

さらにユニークな意見もいただきました。少しご紹介します。

▶︎製品がもっと重かったらいいのに。手で持ったら軽すぎて、簡単に壊れてしまうんじゃないかと感じている。
 
▶︎もっと「使えるもの」がいい。ただ置物として飾るだけでなく、たとえば、携帯を置けるとか、ペンや箸をさせるとか.. 機能があったらよりいいな。
 
▶︎S,M,Lサイズで展開してほしい
 
▶︎キャラにもっとストーリー性を持たせるために、洋服を着せられたり、冒険に出る旅みたいなことをさせられるといい。

確かにゲームのキャラのように、自分好みにカスタムできる仕掛けがあれば、買った人も楽しめます。張り子=完成形の置物 と思っているわたしたちには思い付かない自由な発想でした。
写真は日本好きの方が購入後、家でのディスプレイの様子を撮って店員さんに送ってくれたもの。当初はベトナムとの物価の差から、全く売れないと予想していたプロダクト、
なんと買ってくださった方もいました。

ToheスタッフのVanさんからは、交流の一環としてベトナムの伝統工芸についても詳しく、丁寧に教えてくれるレクチャーを開いてくださり、ベトナムの昔と今の玩具について教えてもらい大感激でした。
ベトナムのToheの皆さん ご協力ありがとうございました。

協力:Good Job!センター香芝
助成:日本財団 「障害のある人の表現と伝統工芸の発展と仕事づくり」 



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