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[レポート]ニュートラの学校実践編in愛知 フィールドワーク&レクチャー②

ご案内…前日11月18日のレポートはこちらからご覧ください。

11月19日(日)

2日目は、名古屋市の中心市街地にある生活介護施設「さふらん生活園」を会場におこないました。

◯ レクチャー「福祉の現場でのものづくり」
まずは、さふらん生活園園長の水上明彦さん、職員の宮崎祐弥さんが、園内で実際におこなわれているものづくりを実物を見せながら紹介してくださいました。障害のある人がものづくりに関わることで生じるゆらぎや差の価値を見出し、商品開発などを展開しています。

写真は、NEW TRADITIONAL ウェブサイト Magazine「ニュートラをさがして」より、さふらん生活園のおしごとの風景。ぜひ、水上明彦さんのコラムもご覧ください。

高橋孝治さんに活動に携わってもらううちに、利用者さんの幸せを一番に考えることを思い出した、と笑う宮崎さん。(写真中央)

続いて、デジタル刺繍ミシンをつかったものづくりや柿渋染めなど地域との関係を築きながら活動しているmotifの理事長・井上愛さんよりお話を伺いました。新規に生活介護事業所「FLAME」を立ち上げるなかでの工夫から、日々の地域との交流まで、幅広く教えていただきました。

「素材が大事」「地域とものづくりをしたい」といった井上さんの明確で力強い思いが伝わってくるお話でした。FLAMEについては、こちらの記事もご覧ください。

◯ レクチャー「工芸から未来を想像する」
山崎伸吾さん(ディレクター/キュレーター)は、京都を拠点に、主に伝統工芸の分野でつくり手とつかい手の接点が生まれる企画をおこなっています。リニューアルディレクションをつとめた京都伝統産業ミュージアムのアクセシビリティ向上の取り組みや、伝統工芸に実際に国内外から集まる目はどのような点に向いているのかといったことなど、福祉施設の周辺ではあまり知る機会のないことをお話しいただきました。

デザイナーの高橋孝治さんは、大量生産品の開発にまつわる仕事をしてこられました。年月の中で窯業、常滑、福祉施設と順に出会っていくうちに、土という素材やつつましいものづくりが身近になってきました。福祉施設に、「戻れるところまで戻るものづくりの場」としての可能性を感じているそうです。

「作る=捨てる」であることを意識したい、と山崎さん(写真右から2番目)
中央に高橋さんの蒐集物をかこみ、意見交換会

おわりに、この2日間学びを振り返り、自分の企画の種を洗い出す時間を取りました。15名のみなさんの企画は、来年2024年1月14日(日)に名古屋市内にて開催される「企画発表会」にてご自身で紹介していただきます。観覧申込み方法等の詳細はまもなく発表します。みなさまぜひおいでください。

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ニュートラの学校:福祉と伝統工芸をつなぐ人材育成と仕組みづくり(文化庁「令和5年度障害者等による文化芸術活動推進事業」)
主催:文化庁、一般財団法人たんぽぽの家


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