見出し画像

「イエンターフォー」も早い話クウィッティオ(タイのうどん)

 「イエンターフォー(เย็นตาโฟ)」を衝撃の料理として持ち上げまくる日本語の記事や投稿を多く見かけるが、肝心の麺は米粉麺。すなわち「タイのうどん」と説明されることが多い「クウィッティオ」と同じ。明らかに違うのはスープの色と味。特にピンクのスープから衝撃を受ける人がいるらしい。味は酸味が強い。

 タイ語のウィキペディアによると、イエンターフォーの語源は中国の客家語で、「正式には『釀豆腐』、略して『酿豆腐』、読み方は『ヨーンテオフー』」とある。どう略されているのか分からないが、客家の釀豆腐という料理が潮州語で訛って「タオフー(豆腐)」⇒「ターフォー」になったと書いてある。タイには潮州語を話す中国系の人が多かった(現在は話す人が減っているとか)。

 スープのピンク色は、ネットで調べれは説明がいくらでも出てくる、「豆腐を紅麹で発酵させた『紅腐乳』」によるもの。自分で書いておいて実際にどういうものか理解できていないが、タイには「イエンターフォー」という名のペースト状の調味料が売られている。

 クウィッティオにはまず入っていなくて、イエンターフォーに必ず入っている具は、干したイカの足。飾り付けでパリパリに揚げたワンタンの皮が入っていることも多いが、こちらはない場合も少なくない。

 クウィッティオは、スープの味が種類によったり店によったりで千差万別。個人的には濃い味のスープが好みだが、「ほとんど白湯でしょ」並みのマイルドなスープの店もある。そんなときにイエンターフォーがあると注文しやすい。

この店のイエンターフォーはワンタンの皮がなかった。あると写真的に色鮮やかになる。はんぺんの上に、イエンターフォーのペーストあり。具の下にクウィッティオが隠れている。
南部ヤラー県のクウィッティオの店。店主は中国系。「食材費が上がった」ということで、クウィッティオやイエンターフォーの価格が一杯40バーツから50バーツに。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?