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【特集】「熊本地震」被災日記(6)~真の復興に向かって~

物流やインフラは徐々に復旧し、熊本の人々は次第に元の生活を取り戻しつつあった。それにともなって避難所の役割も終わろうとしていたが、その後の生活の見通しが立たない人が多いのも現実だ。被災者が自立していくためには根気強く、長い目で見た支援が必要だと感じる。しかし「本当の復興」とは、どのようにしたら実現できるのだろうか。私自身が被災者として、ボランティアとして、この「熊本地震」と共に生活してきた日々を振り返ると、考えが深くならざるをえなかった。

5月8日(日) 「支援」は続く

いよいよ明日から市内の学校が再開される。

私が来ていた避難所は明日以降も避難所として利用されることになったが、他の避難所が閉鎖されるニュースを見て、不安を感じた人々からの質問が相次いだ。

「この避難所はいつ閉鎖されるんですか?」

「他の避難所へはどうやって移ればいいんだ」

「昼間は仕事に行っているので避難所にはいない。その間に勝手に追い出される、ということはないですよね!?」

避難者は自分たちの居場所がなくなることに対して強い不安感を抱いていた。

避難者が自立するためには、不安を抱かないように配慮することが必要だと感じた。

またこの日は、支援物資の供給についてもちょっとしたトラブルがあった。

物資の供給拠点から以下のような連絡があったそうだ。

「おにぎりやパンが不足しているため、配給の数を減らしてほしい。

おにぎりやパンの代わりにバナナなどで対応できないか。

避難所の外から、配給される食糧だけを取りに来ている人もいると聞いた。

現在はほとんどのスーパーが再開しているし、食糧は自分で購入することができるはずだ。

避難者の自立を促していくためには、いつまでも食糧を供給し続ける必要はないのではないか」

これに対して、避難所に従事していた職員の方が反論した。

「我々の目的は配給の量を減らすことではなく、あくまで避難者の自立である。

今、配給の量を減らしてしまうと、避難者の不安を増幅させるだけであり、

やるべきなのは避難者の今後の生活拠点の確保である」

なかなか終わりの見えない避難者への支援は、支援する側にもじわじわといら立ちを与えていた。

根気強く、長い目で見た支援が必要だと感じた。


「真の復興」に必要なものとは何だろうか

震災から日数が経ち、食糧品、住居、インフラなどは驚くべきスピードで復旧が進み、元の生活を取り戻す人が多くなってきた。

その一方で、続きはこちら(NEWSALTへ飛びます)


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