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知ってしまったら他人事ではいられない教員の働き方

今回は、かなり重たい体験談なので、楽しく教員をやっていたい人は読まないことをおすすめします。


登場人物の紹介

生徒A…他の生徒を殴る蹴る。学校の物を壊す。授業中に学校を抜け出して給食の時間に帰ってくる。
保護者A…生徒Aの親。問題行動や指導に従えない場合は迎えに来る約束をした。迎えが多すぎて、電話してくるな→学校で処理しろ→うちの子だけが悪い訳じゃない→学校の対応が悪いと言うように変化していった。
○先生…生徒Aの担任。介護が必要なお父さんと同居している。

○先生の話

 ある日、○先生は部活指導を終え、帰宅しようとしていました。時間は19時過ぎです。○先生は、国語科の先生が習字用の新聞紙をたくさん持っているのに気付き、
「先生、その新聞紙、2日分ぐらいくれない?」
と言いました。
 国語科の先生は快く渡したものの、何に使うのか気になります。思わず、
「○先生、新聞紙なにに使うんですか?」
と聞きました。
「うち、認知症の父親がいて、家中にうんちとかおしっこしちゃうんだよね。家に帰ったらまずそれの片付けからなんだけど、新聞紙敷いておけば多少は楽になるかと思って。」
○先生は恥ずかしそうに笑いながらそう答えました。国語科の先生は、悪いことを聞いてしまったと思い、次の言葉が出ませんでした。
 すると気まずい空気の中、電話が鳴りました。国語科の先生は空気に耐えきれずに電話に出ました。相手は保護者Aでした。もちろん要求は○先生。国語科の先生は○先生におそるおそる尋ねました。
「○先生、保護者Aですけど、もう帰ったことにしましょうか?」
○先生は深いため息をつきながら答えました。
「明日になって大事になってても嫌だから出るよ。」
○先生の顔は、まだ保護者Aから要件を聞いていないのに疲れきった顔をしていました。

「○先生!うちの子が学校に行きたくないって言ってるんですけど、どういうことですか!?」
 話を聞くと、帰りの短学活で「最近気になるニュース」を発表するのが嫌なのだそう。自分はニュースなんて見ないし、みんなの前で上手く発表できないので、晒し者になるとのことだった。
 保護者Aの怒声は凄まじく、受話器からはっきりと声が漏れ聞こえるほど。○先生は、「はい。」「すみません。」「ご心配をおかけします。」「明日、本人に話を聞いて見ます」を繰り返すだけでした。
 保護者Aの話はどんどん広がっていきます。学級便りが読みにくいとか、うちの子は避けられているとか、先生たちはうちを目の敵にしているとか……。
 ○先生はひたすら話を聞いて1時間以上。ついに話を切り上げようとしました。
「お母さん、すみません。私、介護が必要な父親がおりまして、家でお腹を空かせて、排泄物まみれで待ってるんです。明日、生徒Aには話を聞きますから、今日はこのぐらいで……。」
 すると保護者Aはさらに語気をあらげました。
「そんなことを言う担任は初めてだ!一般企業でもそんな対応しない!それでも本当に教師か!……」
 声の大きくなっていく保護者Aと、どんどん小さくなっていく○先生。
 結局、○先生が解放されたのは21時過ぎでした。○先生は自宅も遠く、家に着くのは22時になります。
 国語科の先生は○先生に声をかけます。
「○先生、大丈夫ですか?ひどいもんですよね…」
 ○先生は国語科の先生の声を遮り、
「先生、今日はちょっとごめん。疲れたし父が待ってるから帰るね。」
とだけ言い残し、肩を落としてとぼとぼと職員室を出ていきました。

あの日を思い出して

今思い出しても腹が立つ出来事。
その時は、ただただ大変だなとしか思わなかったけど、家族ができた今、その辛さがおぼろげながら分かってきた。

教師っていうのはこれが当たり前なのか?
一般企業ではこれが常識なのか?
酒に酔った人間の次から次に変わっていく話を、申し訳なさそうに聞き続けるのが普通なのか?
22時に家に着いてから、親に「遅くなってごめんね」って言いながら排泄物を片付けてご飯を作るのか?

教員の親だって年を取る。
年を取った親の面倒もまともに見られないかもしれない。
そんな働き方はゴメンです。

教師の立場はどんどん弱くなる。
若い世代にこれを残したくない。
みんなで変えよう!

ダメなものにはNOを!
勤務時間の意識を!

いろんな人に知ってもらいたい教員の闇
いろんな人で変えていきたい教員の現状

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