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ジョージ・フロイドさんの死とテレンス・フロイドさんの訴えに思う

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「暴力的なデモやめて」 ジョージ・フロイドさんの弟、事件現場を訪問
発信地:ミネアポリス/米国 [ 米国 北米 ]【2020年6月2日 AFP】米北部ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で、警官に膝で首を押さえつけられて死亡した黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さん(46)の弟、テレンス・フロイド(Terrence Floyd)さんが1日、ジョージさんが死亡した現場を訪れた。 テレンスさんは、「皆が怒る気持ちは分かる。でも、私が感じている怒りはそれ以上だ。その私はここで暴れていないし、破壊行為もしていない、自分たちのコミュニティーをめちゃくちゃにもしていない。それなのにみんなは何をしているんだ? それでは何もしていないのと同じだ。そんなことをしても、私の兄は帰ってこない」と述べ、各地で発生している暴力的なデモをやめるよう訴えた。そして、「他の方法で訴えよう。自分たちの声が届かないと考えるのはもうやめて、選挙に行こう。大統領選だけでなく、予備選や、あらゆる選挙で投票しよう。自分で調べて、自分で学ぶ。誰がどのような人(政治家)なのか、他人の意見に頼ってはだめだ。自分で調べ、誰に投票しているのかを知らないとだめだ」と続け、より非暴力的な方法を模索するよう呼びかけた。(c)AFP

https://www.afpbb.com/articles/-/3286160

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2020年5月31日NY。抗議デモを受けて黒人警官が突然ひざまずき訴えかける。

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https://youtu.be/lijF8dmXkfY

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事の発端はこのショッキングな事件からだった。

「息ができない…ママ」 警官に首押さえつけられ黒人男性死亡 米2020年5月27日 17:04 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ] 米ミネソタ州ミネアポリスで、警官の膝で首を押さえつけられるジョージ・フロイドさん(2020年5月25日撮影)。米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で26日、警官が手錠をかけられた黒人男性の首を膝で5分以上押さえつけ、男性が死亡する事件が起こった。この様子を捉えた動画が拡散し、警察によるアフリカ系米国人に対する扱いに対し再び激しい非難の声が上がっている。ミネアポリスのジェイコブ・フレイ(Jacob Frey)市長は「すべての点で間違っている」「黒人であることが、死刑宣告になってはならない」と非難。関与した警官4人を免職にしたと発表した。 (c)AFP PHOTO / Facebook / Darnella Frazier【5月27日 AFP】

テレンス・フロイド(弟)さんの、心中を思うと言葉もでない。それほどに痛ましい事件だ。各報道機関の記事を見ていると、ジョージ・フロイド(兄)さんの写真をそのまま載せているところが多い。弟さんやご家族のお気持ちを思うと、どうかその部分は掲載しないでほしい。また携帯で動画を撮った人たちもどうかSNS等でアップしないでほしい。テレンス・フロイドさんの胸が張り裂けそうな思い、悲しみ、怒りが永遠に続いてしまうではないか、そう私は思っていた。

しかし、この事件暴動に対してのテレンス・フロイドさんの訴えは、なんと尊いものであろうか、、心をうたれた。

また、NYの抗議デモでの黒人警官のひざまずきながらの訴えにも心を揺さぶられた。

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この一連の報道を見ていて、三つのブッダの言葉を思い出した。

すべての者は暴力におびえる。すべての者は死を恐れる。我が身のことと考えて、他者を殺すことも、殺させることも為してはならない。『ダンマパダ』129
実にこの世では、恨みによって、恨みが鎮まるということは決してない。恨みは、恨みを捨て去ることで鎮まる。これは永遠の真理である。『ダンマパダ』5
生まれによって賤(いや)しい人となるのではない。生まれによってバラモン(最高位の人)となるのではない。行為によって賤しい人ともなり、行為によってバラモン(最高位の人)ともなる。『スッタニパータ』1-142 

ブッダの教えや精神(=たましい)は、仏典や僧院、それを饒舌に語る僧の中にあるのではなく、それを行おうとする人の中にあるではないだろうか。

また、ブッダの精神(=たましい)とは、市中において、世の不条理に心を痛め、悲しみや怒りを堪え忍びながら、どうにか解決しようとする者のこころに宿るものではないかと思う。

悲しみや怒りをおさえ、人々に暴力的破壊的な行いの無意味さを訴えるテレンス・フロイドさんや、NYデモの最前列でひざまずき人々に平和な解決を訴えかける黒人警官は、間違いなくブッダの教えを行じている尊き人である。


【解説:インドのヒンドゥー社会では今日でもカースト制が残っており、人々は生まれながらにして親のカーストを引き継ぎ、それを個人の努力で変更することはできない。その中でもバラモンは最高位のカーストである。カースト制を否定する仏教はこの、生まれ・血筋で決まるバラモンの地位を認めない。真のバラモン(最高位の人)とは、その人の行為によってきまると考えるのである。『ブッダ100の言葉』宝島社より】






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