【エッセイ】理不尽なサングラス(前編)
社会人数年目の頃、私は会社の後輩の女の子と横浜で遊んでいました。
横浜中華街などをぶらつき、ワールドポーターズというショッピングモールに行きます。
ワールドポーターズのショップで、私はサングラスが欲しかったので選んでいました。
いい感じのサングラスがありましたが、ワイヤーで繋がれていて、レジまで持って行くことができなかったため、店員を呼びます。
私「すいません。このサングラスが欲しいんですけど。」
店員「かしこまりました。在庫を確認してきますので、こちらで少々お待ちください。」
店員の女性がバックヤードの方へ行きました。
店員を待っていると、ガラの悪いお兄さんがこちらのサングラスコーナーに近づき、サングラスを物色しはじめます。
そして、あろうことか私と同じサングラスを手に取ってしまいます。私と同じく、店員がいないかキョロキョロし始めました。
店員が戻ってきます。
店員「お客様、申し訳ありません。こちらの商品ですが在庫がございませんでしたので、現物限りとなります。あっ、、!」
ガラの悪いお兄さんが、私が買おうとしたサングラスを握りしめている事に気づきます。
ガラ兄「あっ、このサングラス欲しいんだけど。」
店員「お客様申し訳ありません。こちらの商品はこちらのお客様が買われる予定でしたので、、」
ガラ兄「あぁ?!何でだよ?フリーの状態で置いてあったじゃねぇかよ?」
店員「いや、でも、、、」
ガラ兄「あぁ?!」
店員が押されていたので私が入ります。
私「このサングラスは僕が最初に選んで、店員さんが在庫確認しに行ってただけなんですよ。だから、その商品自体はそのままそこに置かれていたんです。」
ガラ兄「でも、誰もキープしてなかっただろうよ?」
私「それは店員さんが在庫確認しに行ってましたからね。そうですよね?店員さん?」
ガラ兄が店員に睨みを効かせます。
店員「、、、、只今店長を呼んで参りますので、少々お待ちください。」
店員はいたたまれなくなり、店長を呼びに行きました。
あんたが在庫を取りに行った事をハッキリ主張してくれれば終わるだけの話なのに、逃げやがったな!と思いました。
しかしまぁ、ここまでこじれるとバイトには荷が重いかもしれませんね。店長を待ちます。
店長「お客様、いかが致しましたでしょうか?」
ガラ兄「俺がサングラス買おうとしてるのに、こっちが最初に買おうとしたって言ってくるんだよ!キープしてたわけじゃないのに!」
私「だから、さっき言った通り、店員さんが在庫確認しにいってたから、待ってただけなんですよ。その状態であえてキープする必要はないでしょうよ。」
暫く口論が続き、話は平行線を辿ります。
ガラ兄「俺は誰も手にしてないから、これを買おうとしたんだよ!後から言ってくるのはおかしいだろ!だからこれは俺のだよ!」
まるでジャイアンのような主張です。すると店長が、
店長「あちらの客様(ガラ兄)がそうおっしゃっていますので、お譲り頂けないでしょうか、、?」
ええええ!!!!???
いやいや、あんた俺の話聞いてた?どう考えても筋が通ってないのはあっちでしょうよ!
私「いやいや、おかしいでしょう!てか、そもそも何でワイヤーで括りつけられてんの?これが無ければこっちはレジに持って行くだけだったし、もしくは在庫確認する時に、店員さんが現物も持っていってくれれば良かったんじゃないの?ワイヤーで繋がれてる以上、こっちはどうしようもないんだからさ。」
もはやサングラスが欲しいと言うよりも、理不尽な店長の反応にムカついて仕方がない感情が強くなります。
店長「お恥ずかしながら、このワイヤーは万引き防止で設置しておりまして、外して販売はできないのです。」
私「それは分かったけど、そのワイヤーのせいでこうなったんだよね?双方の話から判断して、あなたがどっちに売るか決めてよ。」
私がそう言うと、ガラ兄が店長にめちゃめちゃ睨みを効かせます。
店長「、、、大変申し訳ないのですが、こちら(ガラ兄)にお譲り頂けないでしょうか?在庫を確認して、在庫がありましたらお送りしますので、、。」
はぁ???もう絶句です。
私「あんたさぁ、こっちの方が折れてくれやすそうだからそう言ってるよね?何なのそれ?人を見て言ってない?」
店長「、、、、、、」
かなりカッとなってしまいましたが、冷静になると、私は会社の後輩と買い物に来ていたのでした。
後輩が怖がり始めてしまったので、まだまだバトルはしたかったのですが、仕方ないと思い、
私「もうこの後も予定あるから、今回は譲るよ。だけど在庫は確認して、ちゃんと俺に連絡しろよ!」
店長「はい。かしこまりました。ありがとうございます。」
こうしてサングラスはやむを得ず、ガラ兄に譲る事になりました。
しかし、後日、店長からの電話を受けると、、、
続く
※1話完結の予定だったんですが、思いの外長くなったので続きます(笑)
こいつに小銭でもめぐんでやろうか。そう思われた神のようなあなた!大変ありがとうございます(ノ∀`*)